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も参考にして下さい。


07年09月「ベースプレート(パワープレート)についての考察」
07年10月「電源ケーブル(うなぎケーブル)についての考察」
07年11月「実戦的ブリッジ調整 別バージョン」
07年12月「ピックアップの極性を反転する」
08年 1月「HotCake勢揃い」
08年 2月「WahWah研究」

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ピックアップの極性を反転する

ピックアップの極性を反転する その1

 シングルコイルピックアップを複数搭載したギターに於いて、一部のピックアップの磁力の極性を反転させ、さらにそのコイルを逆巻きにする(ストラトのピックアップの場合はホットとコールドの線を元とは逆に接続する)ことによって、ハムキャンセリング(ハムノイズ防止)効果を得るという手法があります。有名なのはストラトのセンターピックアップに逆極性のものを用いて、ハーフトーン時にブーンというノイズを防止するものです。
 新しいピックアップを搭載するのでしたらそのような工夫を施されているものを選べばよいわけですが、既に搭載されているものをそのようにすることは出来ないのでしょうか。これが比較的簡単にできるので、その手順を紹介しようと思います。(この記事を書くにあたってはDan Erlewine氏のピックアップの作り方に多くを学ばせていただいております。)

 用意するもののなかの最重要ツールは強力なマグネットです。(あらかじめ作業の概略を書くと、強力なマグネットによって既存のピックアップの磁力をつけ直して、逆極性にしてしまうということです。そしてピックアップのホットとコールドの線を元とは逆に接続します)
 強力なマグネットと一口に言っても抽象的ですが、僕が使っているのはスチュワート・マクドナルドで売っているギターリペア用マグネットです。スチュワート・マクドナルドでは大きさの違う2種類を扱っていて、その大きい方(直径1インチ25.4mm、厚さ1/8インチ約3.2mm)を使っています。1個あたり約5ドルです。僕はこのマグネットを2個ずつ計4個使って着磁しています。
 これはリペア用だからといって特殊なものではなく、要するに使いやすい大きさを持ったネオジウム・マグネットです。ネットで調べてみると国内の通販でもほぼ同等のものが同じような値段で手に入るようです。
 入手の際にはマグネットの大きさに着目して下さい。大きい方が磁力が強くよいように思えますが、大きすぎると吸着したものをはがすのがひと苦労です。直径1インチ厚さ1/8インチでも、マグネット同士が吸着したものをはがすのは大変な作業です。

 このマグネットは超強力です。取り扱いには十分な注意が必要です。磁力を嫌うものに近づけてはならないのはもちろんですが、マグネット同士を不用意に近づけると、物凄い勢いで吸着しますから、思わぬ怪我をしたり、ものを壊すようなことも起こりえます。僕はプラスチックのケースに1個ずつ入れて、万が一のときにもいくらかショックが和らぐようにして保管しています。
 またネオジウムマグネットは熱に弱いですから、間違っても半田ごての近くなどには置かないで下さい。取り扱い方法についてより詳しい情報を収集されることをおすすめいたします。

 磁石の他に用意するものはベンチバイス(万力)です。必ずしもバイスでなくともよいのですが、大きめの鉄のかたまりに磁石を吸着させて使いますので、そのようなものがあればそれでもよいです。
 バイスが1個あれば他の作業でも便利なので、この機会に揃えるのも一計かと思われます。僕が買ったのは近所のDIY店で格安で売っていたものです。(忘れましたけど¥1000~1500だったような気が)
 マグネットは、ベースプレートのところでも触れていますが、充分大きな鉄の板などに貼付けると、強力になって大変効果的に使うことが出来ます。

 あと必要なものはピックアップをはずすためのドライバーとか、配線をはずす・再接続するための半田ごて、ビニールテープかセロテープ少々・・・ぐらいなものでしょうか。

pickupchakuji

(画像クリックで拡大)


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ピックアップの極性を反転する その2

使用したネオジウム・マグネット
ネオジウム

(画像クリックで拡大)

作業の準備
ピックアップの磁気の極性を確認しておきましょう。ドライブ用の方位磁石が使いやすくて便利です。¥100ショップで売ってるもので充分です。

極性

(画像クリックで拡大)


作業開始
(1) ストラトの場合でしたら、センターピックアップをはずします。

(2) 不用意にマグネットにピックアップが吸い付くと、その勢いでピックアップの磁石がかけることがあります。あらかじめビニールテープ・セロファンテープなどで保護しておくと安心です。

(3)バイスの内側の面にマグネットを貼付けます。僕は片側2個ずつ直列にして、計4個を図のように貼付けています。貼付けるといっても磁石と鉄ですから吸着させるだけです。

貼付け

(画像クリックで拡大)

(4)マグネットとマグネットの間がちょうどピックアップが通るぐらいになるように、バイスのハンドルを回して調整します。シビアなものではありません。大体でOKです。

(5)向かい合わせたマグネットの間にピックアップを通します。マグネットにかなり引っ張られますが、慎重に通してください。ピックアップの着磁は瞬時に行われますから、時間をかけてもしょうがないのですが、強い磁力の中であちこちぶつけないように、ゆっくりということです。
pickupchakuji

(画像クリックで拡大)

ピックアップを通す

(画像クリックで拡大)

 着磁はこれで終了です。磁力を反転させたいときもピックアップの向きを希望する向きにして通すだけです。磁極の反転と着磁が行われます。

 ネオジウムマグネットでピックアップの着磁や磁極反転が出来る・・・このことはプロ!!の技術者でも知らないことがあります。某ピックアップ関係者に話したことがありますが、「専用の着磁装置が無くても着磁出来るの???」とビックリされました。
 実は、このネオジウムによる着磁はピックアップの磁石を100%磁化させることは出来ない・・というのは事実です。というのはマグネットから遠ざけるときの磁界の乱れなどなどの影響で若干目減りしてしまうのです。
 しかし、実際はまったく問題ありません。僕は磁力の測定に自作の測定器を使っています。これは壊れたビデオデッキのモーターからとったホール素子と抵抗と電池を組み合わせたもので、直流のミリボルトで磁石の極性と強さがわかるようになってます。強さの絶対値はわかりませんが二つの磁石を比較したり、作業の前後でどうなったかということはわかります。

磁力測定

(画像クリックで拡大)

 たとえば手持ちのストラトピックアップはこのメーターで見て作業前には300という数値が出ていました。今回のやり方で着磁し直してから測ってみると380という数字が示されました。もとよりも強く着磁されたことになります。

 磁石は時間とともにだんだんと磁力が弱くなっていきます。ですから、古い磁石を着磁し直すと新品状態に近くなる・・と言うことも出来ます。これにはちょっと注意したいですね。
 時間的余裕がある場合には弱い磁力から試してみる、バイスにつけるマグネットを片側1個ずつ、計2個でやってみるのもよいかもしれません。
 さらに間隔を広くして着磁してみるというのもよいかもしれません。

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ピックアップの極性を反転する その3
(改良の考察と注意点)

 今回の着磁は円盤状のマグネットを使っています。向かい合わせた円盤状のマグネットの間を通過させているわけですが、より完璧を期するなら、長方形のマグネットを使用する方がベターかもしれません。70mmX15mmくらいのものがあればピックアップ全体を一度でカバーできます。これを向かい合わせて、間にピックアップを置き、磁力線の向きにマグネットを遠ざけるようにすればかなり理想的なのではないでしょうか。
 図のようにまず(1)マグネットをまっすぐに遠ざけ、(2)次にピックアップをまっすぐ遠ざける・・ということです。
長方形

(画像クリックで拡大)
 これは頭の中で考えているだけで、実験したわけではありません。機会を見て試してみたいと思っています。何となく良さそうな気がしています。

 ストラトのようなピックアップの場合、逆巻き状態にするには配線をホットとコールドとを入れ替えれば事足ります。しかし例えばシールドカバー付きで、そのカバーがアース(コールド)に接続されている場合には注意が必要です。そのまま配線を逆にしただけではシールドカバーがホット側に接続されてしまいます。これはちょっと具合が悪いので、かならず新しくコールド側になったところに接続し直して下さい。カバーがホット側に接続されていると、そのカバーにアースに落ちている弦が触れたりする時に、その瞬間だけ音がでないことになります。
 シールドカバーではなく、ピックアップの底面などにシールドが施されていてアースに接続されている場合も同様に考えて下さい。

 またポールピースが何らかの理由でコイルと導通している場合、その導通している側がコールドである場合は問題ないのですが、もしホット側である場合はポールピースがアースに落ちないような工夫が必要になります。ポールピースがホット側で導通している時にアースに落ちている弦が触れたりすると、その瞬間だけ音がでないことになります。上記のカバーの例とまったく同じ状況です。
 ポールピースがコイルと導通していないことが確認できれば、この項目は無視してかまいません。

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ピックアップの極性を反転する その4


ストラトの実例

strat rev

(画像クリックで拡大)
  
 70年代のフェンダーストラトのセンターピックアップを反転してみました。もともとの磁性はトップがS極でした。時代によっていろいろあるそうです。
 強さは僕の測定器で、350~400ぐらいを示していました。6個のポールピースがすべて同じということは無く、バラツキがあります。

 センターピックアップを取り外しました。配線はスイッチのところでもピックアップのところでも、どちらをはずしてもよいです。安全なのはスイッチのところです。
 ピックアップのところの配線はうまくやらないとコイルからの細い線を切断してしまうこともありますので、注意が必要です。
 僕のピックアップは一度断線の修理をしたことがあって、コイルからの細い線を固めてあったりするので、比較的容易に配線をはずすことができます。というわけで、今回はピックアップのところで配線をはずしました。
 念のためポールピースとコイルの導通をチェックしてみました。ポールピースの1本とコイルが導通していました。現状でコールド側、改変後はホット側になる巻き線で導通していました。あとでなんとかする必要がありそうです。

 バイスにマグネットを貼付け、間にピックアップを通しました。ピックアップの向きはトップがN極になる方向です。

 測定器で磁力を確認しました。その結果、トップがN極で強さは350~400ぐらいと、もとと同じような感じに着磁されていました。なかなかうまく出来たと思います。

 ピックアップを取り付けて配線をつけ直しました。元の配線とはホットとコールドを逆にハンダ付けしました。この作業は出来るだけ手早くやるのがよいです。

 アンプにつないで音を確認します。ブラウン管テレビのすぐ近くで盛大にノイズを拾う状態にして、ピックアップを切り替えてみます。ハーフトーン位置で見事にノイズが消え去ります。楽器の音色も以前と変わらず、まったく問題ありません。

 残る問題はポールピースがホットに接続されていることです。試みにピックアップセレクターをセンターにして、弦を押してセンターピックアップのポールピースに接触させてみると、案の定、音が出ない状態になります。普段は弦とポールピースのクリアランスが充分なためそれほど問題を感じませんが、弦がべろべろになるようなアームダウンをした時、音が出なくなる可能性があります。
 テープ等で絶縁するとか考えましたがあまり美しくないので、ポールピースの上端に厚めに透明のネイルエナメルを塗ってみました。取り敢えずはこれでトラブル解消です。
 長期間弾いているうちにエナメルが剥がれるかもしれませんが、その時はまた塗ればよいのではないか・・・いたって気軽に考えております。

 以上の作業に要した時間は約15分でした。

 何かの参考にしていただければ幸いです。


            

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