各種素材のプレート
いちばん上は市販のベースプレート

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ベースプレート ( パワープレート)についての考察 その1
ベースプレート ( パワープレート)の働き
磁石が貫通した形のシングルコイルピックアップ(つまりごくごく一般的なシングルコイルピックアップ)、それの底面に磁性体のプレートを貼付けると磁力の強さや磁力線の通る様子が変わり、ピックアップのサウンドに影響を与えます。それはベースプレートと名付けられ、今までは主に低音に影響を与えると考えられていましたが、プレートの素材を各種試してみると、どうやら全音域に影響を与えていることがわかりました。(その傾向はピックアップをよりホットにするものですので、Aleatorikでは、このプレートをパワープレートと名付けました。)
このプレートをピックアップの底面に貼付けるだけで簡単にピックアップの音色をグレードアップすることが出来ます。しかも、もし元に戻したければ、簡単に取り外すことが出来ます。
フェンダーテレキャスターのブリッジピックアップにはこのような磁性体のプレートが元々ついていました。ところが何故か80年代の早い時期から、このプレートは省略されてしまっています。オールドの本来のサウンドとは変わってしまったと僕は思います。最近のプレートがついていないピックアップにパワープレートをつけることによって、テレキャスター本来のサウンドを引き出すことが出来るのではないかと考えています。
ストラトでもこのようなプレートを特注で装着しているギタリストがいます。このパワープレートはそれらミュージシャンのサウンド創りを簡単に実現することが出来ます。プレートはブリッジピックアップに装着することが多いですが、もちろんミッドやネックピックアップに装着してしても好結果を得ることが出来ます。
プレートの効果による音色変化をひとことで言うと、「倍音の出方が変わる」ということになると思います。
プレートの素材によってそれぞれ音色の傾向が異なりますから、自分の楽器にあったプレートを選んで、好みの独自の音を追求することが可能です。
現在のところ、素材としては3種類試してみています。
**パーマロイ材高級な磁気材料として有名なパーマロイを使ったプレートです。レンジの広い全帯域をプッシュする印象です。プレイへの追従性が良いので比較的素直に感じる部分があります。しかし見方を変えると、反応が速く伸びが良い分だけ、アタック感が強まる傾向があるとも言えます。プレイスタイルによって大きく感じ方が変わる素材だと思います。
**ハイライト材これもトランスのコア材として有名です。パーマロイよりも高域に特徴が出る印象です。きらびやかな高域を望む方には最適かもしれません。ハイライト材使用のアウトプットトランスはきらびやかな音色になる場合があるのですが、ちょうど同じような傾向のように感じます。
**オールドのコア材オールド機器のトランスからとった正体不明のコア材です。正体不明ですので今後も継続して作れるかどうか、むずかしいところがあります。音は独特で、捨てがたいものがあります。強いアタックで微妙に飽和した感じ、平たく言えば薄くコンプレッサーがかかっているような印象で、バランスがよく弾きやすいという声をいただいております。比較的無難な音と言えるかもしれません。
ベースプレート ( パワープレート)についての考察 その2
$$$ パワープレートの取り付け $$$
:::事前のテスト :::
まずギターをアンプに繋いでピックアップを爪などで軽く叩いてマイクロフォニックノイズの出方を確認します。ロウ付けや樹脂で固めたピックアップの場合はほとんどノイズが出ません。防振処理をしていないピックアップの場合はこつこつという音がでるかもしれません。このノイズの出方を記憶して下さい。
つぎにピックアップ底面にプレートを乗せてみて隙間が空くところがないかを確認します。もし底面にぴったり合わないときにはプレートを指で少し曲げて、出来るだけ隙間が空かないように修正します。
サウンドのテストだけをしたい場合にはピックアップの磁力で吸い付いた状態で行うことが出来ます。不要振動を拾いやすくてハウリングしやすくなりますが、プレートによる音色変化を知ることが出来ます。
継続して使用する場合にはしっかりと取り付けることをお勧めします。
プレートの取り付けは[ A ] の方法が推奨ですが、ピックアップボビンがプラスチックなどで耐熱性が疑わしいときは[ B ] の方法が無難です。プレートにはあらかじめロウをコーティングしてあります。これには防錆と不要振動のダンプとの両方の意味があります。
[ A ] ロウでつける方法
1. ポールピースを絶縁するため出来るだけピックアップ底面にポールピースが隠れるように薄いマスキングテープを貼ります。これはポールピースと巻き線が導通していて、なおかつそれがホット接続されている場合があるためです。 テスターなどで絶縁が確認できる場合は省略してもかまいません。
2. プレートにコートしてあるロウの量だけでは不足するかもしれないので、新たに少量のロウを用意します。ピックアップの底面にロウを半田ごてで溶かして塗ります。というかポタポタとたらす感じでもオーケーです。
3. プレートをのせて、割り箸などを使って押し付けます。2カ所くらいを同時に押し付けることが出来ればより良いです。押し付けたまま半田ごてでプレートを暖めます。1カ所ではなくてプレート全体が暖まるようにします。温度を上げすぎないように気をつけて下さい。ロウが溶ける温度になれば充分です。いったん半田ごての電源を外してをさましておいて、プレートの上に半田ごてをのせてから電源を入れて暖め始め、ロウが溶けてきたら半田ごてを遠ざけるようにすると安全です。
4. プレートとボビンの間のロウが溶けてすっと流れる感じになったら半田ごてを遠ざけて息を吹きかけて冷やします。このとき、押さえている割り箸等がずれないように気をつけて下さい。
5. より完璧を期すなら、プレートのエッジ部分にロウをさらに足します。ロウを溶かしながら半田ごての先を筆のように使ってロウを流していきます。
6. よく冷えたらアンプを繋いでピックアップを軽く叩いてみます。もしノイズが増大していたらプレートのどこかが密着していなくて浮いた状態になっています。アンプを繋いだままプレートのあちこちを叩いてみると浮いているところでノイズを拾います。その箇所を重点に、もう一度 手順3 からの作業を丁寧に行って下さい。それでも駄目なら 手順2 からの作業を行って下さい。コツコツというノイズが全くでないか、あるいは最初のテストのときと同様の程度であればプレートのロウ付けは完成です。
(注) もしコツコツという音を少し拾ったとしても、実用に支障のない程度かも知れません。
実際の使用状態で確認して判断してください。
7. アース線をピックアップのマイナス側端子にハンダ付けします。このアースにはシールドの意味を与えているわけですが、実効性については微妙です。プレートをアースに落とさなくても特に支障はないと思われます。省略しても問題ないと思います。
[ B ] 両面テープを使う方法
プレートの接着面側のロウをよくはがしてきれいにします。念のためロウをはがしたあとに、アルコール等で拭くと良いかもしれません。プレートの接着面の全面に両面テープをはります。ピックアップのボビンの底面をきれいに拭きます。プレートに貼った両面テープの保護紙をはがしてピックアップ底面にプレートを貼りつけ、浮く部分が無いようによく押し付けます。ピックアップの出力をアンプに繋いでピックアップ底面のプレートをまんべんなく爪などで叩いてみて下さい。もし浮いているところがあると、そこを叩くとアンプからコツコツというノイズが出ます。ノイズが出たところをもう一度よく押し付けて密着させ、ノイズが出ないようにして下さい。コツコツというノイズが全くでないか、あるいは最初のテストのときと同様の程度であればプレートの取り付けは完成です。 つぎにアース線をハンダ付けして下さい。これは上に書きましたように、省略してもかまいません。
(注) もしコツコツという音を少し拾ったとしても、実用に支障のない程度かも知れません。
実際の使用状態で確認して判断してください。
両面テープは薄ければ薄い方が磁気回路的には良いのですが、ボビン底面の凹凸や、ボビン自体のゆがみによって良好な接着状態が得られないことがあります。厚手の両面テープはそれらの問題を解消してくれます。ピックアップ底面の状態によって両面テープを選択して下さい。
参考に僕が試したものをいくつかあげておきます。
スコッチ 超強力 金属用 厚さ1.14mm
アクリル系粘着材使用で、一応、平滑面用となってますが良好です。底面の凹凸が激しかったり、歪んでいたりする場合に有効です。比較的きれいな場合には、より薄いテープをお勧めします。
ニトムズ 凹凸面用(屋外) 厚さ0.55mm
良好ですが粘着材がゴム系ですので経年変化で固くなるかもしれません。
ニトムズ 超強力 金属用 厚さ 0.4mm
粘着材はアクリル系です。プレートを丁寧に押して、よく粘着させる必要がありますが、これくらいの厚さ以下のものが望ましいです。
フィルム状両面テープ 厚さ0.1〜0.16mm
底面の状態が非常に良い場合に有効です。部分的に浮きが生じて、マイクロフォニックノイズを拾う場合がありますので、よく押し付けて粘着させて下さい。
$$ ピックアップ底面に磁石が飛び出している場合の対処 $$
ジャズベースのピックアップなどの場合のように、底面に磁石が飛び出していることがあります。このときは飛び出した量に合わせた厚めのテープなどを磁石の周りの底面に貼って底面全体が平面であるようにします。前述したような厚さ1mm程度の両面テープを使うことが出来ます。
○ その両面テープに直接プレートを貼付ける。
○さらに薄めの両面テープをプレート面に貼って貼付ける。
○ロウでつける方法を工夫する。
などが考えられます。磁石とプレートは出来るだけ隙間無く貼付けられる方が良いので、状況に応じて考えてみてください。中途半端な両面テープを使うとかえってマイクロフォニックノイズを拾うこともあります。
全くケースバイケースです。最適な状態を見つけていただけることを期待しています。
ハムバッカーへの応用

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フロント

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リア

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ベースプレート ( パワープレート)についての考察 その3
$$$ より深く考えてみる--応用編 $$$
このパワープレートの動作は要するに磁気回路を変更することによっています。
仮想的に磁石の長さが二倍になったような感じになり、弦側の磁力は増大します。
つまり磁気の通り道が変更されて弦側に集中し、より広い範囲の弦振動を拾うことになります。図がうまくかけなくて申し訳ないのですが、何となく感じはつかめると思います。
その影響は当然ながら低音域だけにはとどまりません。
またもともと優れた音のピックアップに取り付けると、そのバランスや音色を崩してしまう可能性があります。あくまで改良の余地があるピックアップに用いてみて、音色改善の道を探るものです。取り付けも取り外しも簡単ですから手軽にカスタマイズするための手段としてきわめて有効であるように思います。
例えば、シングルコイルでポールピースが磁石ではなくて、底部に長方体の磁石を装着しているタイプのものがあります。試しにこの底面にプレートを貼ってみると弦側に放出されている磁力の大きさが変わります。ということは出力や音色が変わることを意味します。これはなかなか良いです。手持ちのギターでこのタイプを搭載しているものがあり、音色が????だったのですが、このプレートを貼ることによりかなり希望の音に近づきました。
磁気の通り道を変えることが出来るのですから、ハムバッカーにも応用が可能です。このときはピックアップの上面にプレートを貼ります。ポールピースが半分かくれるぐらいか僅かにかかるぐらいの位置に貼ると具合が良いようです。
ほんの一例ですが、メーカー不明のカバー付きハンバッカーに貼ってみました。出力が足りなくて貧弱な音だったのですが、このプレート(これにはパーマロイを採用)によって生まれ変わりました。57クラシックを搭載したギターと弾き比べてみてもかなりいい線いくようになりました。 接着には薄めの両面テープを使用しました。プレートとカバーで段差が出来てピックがちょっと引っかかりそうなので、プレートの端に薄い透明テープを貼ってあります。

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棒状の磁石の一端に充分な大きさの磁性体の板を置くと、仮想的に磁石が長くなったような効果が起こります。
磁力の形は長くなった磁石の上半分に相当し、磁力の範囲が広く、かつ強くなります。

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これらのプレートは何人かの方にお渡しして試していただいております。
興味深いことにあの「KORG」にはギター愛好家が多くて、様々な実験に参加してくれて、貴重なリポートを送ってくれます。
ここにご紹介するのはKORG技術部に所属される鈴木さんからのリポートです。
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・・・・(前略)・・・・・・・・・
実験内容は、シングルピックアップ単体に、送って頂いたベース用のプレートと、ピックアップの上に載せる小型のプレートを使用し、
*インダクタンス測定
*インピーダンス測定
*砂鉄による磁場の観測
をしてみました。
インダクタンスは、
何もつけてないとき、1.070H
ベース用プレート
Unknown 1.193H Parmalloy 1.163H Hilight 1.220H
小型プレート
Unknown 1.092H Parmalloy 1.087H Hilight 1.098H
になりました。
インピーダンス測定結果は添付図をごらんください。

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プレートをつけるとポールへの磁束が集中して増幅する振る舞いをするようです。
これはインダクタンスの増加、砂鉄の密度の様子からもうかがいしれます。
それから磁石への吸い付き具合を試してみると、パーマロイ、正体不明、ハイライトの順に強くなっているようです。
これは磁化しやすい材質の順ではないでしょうか。
インダクタンスの増加の順とも一致してるようです。
インピーダンス測定からはデーターは変化してますが聴感上わかるぐらいの差はないように思えます。
しかしギターに取り付けたときの実験ではわかりましたよね。
砂鉄模様の様子でおもしろいことに小型プレートをつけたとき、そのプレートのところだけ空間ができてプレート端の周囲に磁場模様が集中してました。
これらのことから想像すると、プレートをつけることにより磁場のフィールドの大きさと強さが変わり、弦が磁場を揺るがす範囲が変わっていると思われます。
ピックアップの底面につけるとこれがヨークの働きをして各ポールの磁束密度を増幅し、
さらにプレート端面から磁場が全体に広がっていると想像します。
ハイライト材は最も磁束が増幅してフィールド範囲も広いので弦振幅の
取り込み範囲が広くなり出力があがって広域になっているのではないでしょうか。
パーマロイはこの中では磁束密度は小さいので取り込み範囲も小さいと思われます。
正体不明は中間にあるようです。ただわからないのは昨年聴感実験したときのコンプレッション感がどこからきているかです。
正体不明の表面の黒い皮膜を削ると銀色の下地がでてきます。変色か皮膜かわかりません。
磁石の吸い付き具合はパーマロイに近いと思います。もしかしてオリエント材でしょうか?
そうだとするとオリエントは磁化する方向性があるらしいのでこれがフィールドに影響するでしょう。
とりあえず自宅でできる小規模実験ではこんな感じです。
まとめると、プレートはピックアップの電気的特性を大きく変えることはなく、
磁場のフィールドを変えて弦振動をピックアップする範囲と強さに影響する
アタッチメントと言えそうです。
プレートの取り付けアイデアのひとつとして、ピックアップカバーの側面に取り付けるのもありかと思います。
側面だけでもよいし、底面と一体化させてもいいかもしれません。
フィールドをむやみに広げることなく出力が何倍かあがるかもしれません。
あるいはもっと細くしたプレートをポールにくっつけて擬似バータイプのポールにして各弦のバランスをすっきりさせられそうかとか。
・・・・・(後略)・・・・
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