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Author:aleatorik
WEB版「ミュージシャンのための簡単なギター調整」
http://www.geocities.jp/egoperation/

DVD版「食卓でできるギター調整」
http://www.rittor-music.co.jp/hp/books/guitar2_data/06217304.html

も参考にして下さい。


07年09月「ベースプレート(パワープレート)についての考察」
07年10月「電源ケーブル(うなぎケーブル)についての考察」
07年11月「実戦的ブリッジ調整 別バージョン」
07年12月「ピックアップの極性を反転する」
08年 1月「HotCake勢揃い」
08年 2月「WahWah研究」

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簡単ストラップ・ロックを作る

というわけで、まず構造の確認ようにわかりやすいものを作ってみます。

**丸座金で作ってみる

丸座金
内径10mm外径22mmの丸座金を用意しました。

その一部を幅7〜9mm程度で切り欠きます。
ストラップピンにストラップをつけてから、この座金を差し込んで脱落防止しようという仕掛けです。
くるくる回ってしまっては困りますので適当なゴムひもを接着してあります。ゴムひもをストラップ先端部にかけることで回転をふせぎます。この製作記事では、切り欠き部が常にストラップの先端側になるようにしてます。


使い方はこんな感じです。
(1)ゴムひもをストラップの先端側にかけます。
(2)座金の切り欠き部を上側から差し込みます。
まずゴムをかけて
(3)そのまま奥まで押し込みます。
おしこむ
(4)外す時は、ゴムひもを外してからロックをスライドさせます。

見やすいように太い白いゴムひもを使ってますが、もし実際にこの形を使用するときには、目立たない黒などの細いゴムひもを使用するほうがよいと思います。
丸座金_黒ゴム

fv_丸座金


この形での使用はもちろん可能です。しかし、ちょっと問題があります。
ストラップピンにはいろいろなタイプが有って、ストラップ取り付け部のサイズがまちまちです。
ストラップピン種類
僕は実験用にこのようなものを使ってますが、全部太さが違います。また形状によっては、使用するストラップの革の厚さで、ちょうど良いストラップロックの切り欠きの幅が変わってしまいます。ちょっと広めに作れば対応範囲は広くなります。が、僕は広めに作るのが好きではありません。
自分の楽器とストラップに合わせて、現物合わせで製作すればぴったりのものを作れます。
製作費用は1個あたり¥15〜¥20でしょうか。座金は12枚入っているものが一袋¥100くらいです。

**ペットボトルのキャップ

上記のもので順調に使用できますが、金属製は切り欠きの幅の問題など融通がききません。また工作工具の問題もあるかもしれません。
何か良いものは無いか、、例のごとく見回していたら、ペットボトルのキャップが目に入りました。
早速作ってみました。
こんな感じです。
キャップ
(1)キャップの中心付近に直径9mm〜10mmくらいの穴をあける。
(2)幅7mm〜9mmていどの切り欠きを作る
(3)キャップの横の部分にストラップピンの頭が通るだけの切り欠きを作る。切り欠きの入り口付近のキャップ内部のリブがぶつかるかも。現物合わせで、ぶつかる部分の処理をして下さい。

穴あけや切り欠き作りは専用の道具でやるのが筋でしょうが、今回のものはより簡単な手法でやっています。かなりアバウトですけどちゃんと使えます。
使ったのは半田ごてとカッターとハサミです。半田ごての先で適当な穴をあけていき、カッターで整形し、よけいなバリはハサミで切った、、、というものです。半田ごてのかわりに熱した金属の串でも良いかもしれません。やけどをしないように気をつけて下さい。
穴や切り欠きは少し小さめから始めて、徐々に最適サイズになるようにして下さい。切り欠きは、気持ち狭めのほうが感触がよいです。

大体出来たら現物合わせで確認します。切り欠き部分を差し込んで
切り込みから
滑らせるように押し込んで、蓋の中央部分まできちんと入ればOKです。
すべらせる

多少整形が荒くても適度にたわんでくれます。
中央部まで押し込んだときに、キャップの内側のリブ状のものがストラップピンの頭部分にぶつかる時は、ぶつかったリブ状の邪魔な部分を、あたらないように削り取るなどして、処理して下さい。

装着具合を確認したらゴムひもをつけます。
ゴムひもは真ん中より少し上側(切り欠きの反対側)に寄ったところにつけるのが使い易いようです。この写真のものは試行錯誤の穴があいていますが、気にしないで下さい。
ごむひも

ゴムをストラップの先端にかけて切り欠き部から滑らせて装着する、、、このテストを繰り返してOKになったら、ペットボトルのキャップの高さを低くします。そのままで良い人はそのままで。
荒い紙ヤスリ等で適当に薄くして下さい。
希望通りになったら、キャップの切り口に適当な厚めの紙などを接着して蓋にします。接着してからふちにそってハサミで切ると綺麗に出来上がります。上下がわかりやすい絵柄が使い易いです。
薄くして蓋_切り込みから


実際に使ってみると、こんな感じです。
キャップ使用例


**厚手のピックでも
他のものでも同じように作れますね。これは厚手のピックを使った例です。強度に不安があるので裏側の切り欠きの反対側(上側という言い方も出来るかな)に金属で補強を入れてあります。
厚手のピックでも



************

おすすめは金属加工が出来る方なら金属の丸座金かなあ。信頼性が高いです。

廃物利用で面白く簡単に作れるのはペットボトルのキャップ。使い勝手は非常によいです。
キャップの内側にリブ状のものが有ったり、立体的であることなどが強度の向上につながっています。

いずれの場合も強度的には充分に実用範囲に入っていると思われますが、極端に乱暴な扱いは避けるほうがよいでしょう。

意表をついている(僕はそう思ってます)のはヘアピン曲げです。こんなもので、、、と思われるかもしれませんが、それなりの効果があるのが面白いです。実際の使用では、ヘアピンの先をなにかに引っ掛けたりするかもしれませんし、ヘアピンの割れている先端側がストラップのスリット側にこないような工夫が必要かもしれませんので、注意が必要です。
とっさの場合には、この考え方が役に立つと思いますけど。





すべての工作および使用はご自身の判断と責任において行われますことをお願い申し上げます。

(各画像はクリックすると拡大されます)




ストラップのロックを考えてみる

ストラップの脱落防止はどうしていますか?
僕はシャーラーのロックピンや、プラスチックの円盤状のロックを愛用いたしておりました。

シャーラーetc

だけど、もっと簡単に、安価に出来ないものかと、もういちどストラップの脱落防止を考えてみようと思い立ちました。

**目玉クリップ
どうしてストラップが脱落するのか、、取り付けの逆の動作をしてみました。

abunai

よくみるとストラップの上方のスリットにストラップ・ピンの丸い部分がすべりこみ、外れることがわかりました。この効果が無いとストラップを取り付け出来ないわけですし、取り付けやすいということは外れやすいということも出来ます。
スリットにストラップ・ピンが食い込まなければ外れにくくなると思い、特に深く考えないで手近に有った目玉クリップで挟んでみました。


medama


これ、意外と大丈夫です。ルックスの問題は有りますけどね。とりあえずストラップの脱落は防げるみたいです。なんの工作もいらず、せいぜい目玉クリップのサイズを選ぶだけで出来る、最も簡単で効果的な方法であるといえるかもしれません。
しかし、これではあまりにも・・・なんで、、、ようするにストラップをつけた状態で、ストラップ・ピンの上側に何か横方向の障害物が有れば、スリットにストラップ・ピンが食い込まないわけで、目玉クリップ以外のものを考えてみます。

**ヘアピンはどうか?

これまた手近に有ったヘアピンを曲げてみました。

pins

折り曲げ角度がつきすぎると折れますので程々に。
手元に有ったものの長さがちょっと長かったので、一番下にあるものは適当に短くしています。切り口は鋭利なのでヤスリで丸め、さらにホットグルーをつけてあります。

これをストラップをつけたあとのストラップ・ピンにとりつけます。ヘアピンはまっすぐなほうを上側にするほうが効果的です。これ重要です。

ヘアピンの先を少し開き気味に曲げてありますので、先端部分をストラップ・ピン部に差し込みます。

pin1

そのまま押し込んでいくとこのようになるわけです。

pin2

ストラップ・ピンにはいろいろなサイズがありますから、使用しているピンにあわせてヘアピンの曲げ方を変えると具合の良いものを作ることが出来ます。
ものがきわめて安価ですから、もし失敗しても心置きなく次のヘアピン曲げに取りかかることが出来ます。

**
このヘアピンでも効果は期待できます。しかしもっと「ちゃんと考えた!」ふうのものは作れないものでしょうか。次回はもうすこし工作らしいことをしたストラップ・ロックを紹介します。



        つづく

(各画像はクリックすると拡大されます)

(なお、すべての工作および使用はご自身の判断と責任において行われますことをお願い申し上げます)





最も簡単なコンタクトピックアップを作る

前回までに書いたこともそれほど難しいものではありませんが、もっと簡単な、おそらく考えられる手法で最も簡単なチューニング用「コンタクトピックアップ」(コンタクトマイク)の作り方を書きます。
便宜上、作ると書いてますが、実際になにかを工作するようなことは、ほとんどありません。

用意するもの

・なんと呼ぶのか知りませんが女性が髪をまとめたりするときに使用するゴムのバンド
・適当なイヤフォーン
・ミニから標準への変換プラグ(モノがベターだけどステレオでもよい。注意は後述)

簡単に揃う

手順

1 変換プラグにイヤフォーンのミニプラグを差し込みます。

モノ変換

変換プラグは、このようにモノのものがあれば非常によいです。

ステレオのものでも使えますが、先端から二番目の接点のところをインプットジャック部でパワーのオンオフに使っているエフェクターが多いので、今回の状態のステレオプラグをエフェクターにつなぐとおかしなことになると思われます。ステレオの変換プラグを使用した場合には、あくまでチューニングメータ(インプット部でパワーのオンオフをしないもの)での使用にかぎるのがよいです。
ステレオ変換

2 ギターのヘッドなどにゴムバンドを巻き、イヤフォーンのL側を写真のように差し込みます。

簡単取り付け

L側を差し込むのは、プラグの先端のチップ側にLがつながっている筈だからです。ところが不思議なことに、100円ショップのイヤフォーンではRが先端に接続されているものもあります。ですからLを挟んでうまくいかない時はRを挟んでみて下さい。考えるのが面倒だったら両方差し込んでもよいですけどね。

3 プラグをチューニングメータに接続してチューニングします。

以上です。イヤフォーンとゴムバンドと変換プラグ、これだけあればチューニング用コンタクトピックアップ(コンタクトマイク)になるわけですから、本当に簡単だと思います。ゴムベルトは小さめの直径のものが具合が良かったです。

変換プラグはなにかを買ったときにおまけでついてきたものばかりです。

簡単ですので是非お試しください。
製作その他諸々のことは自己責任でお願い申し上げます。

(画像はそれぞれの画像クリックで拡大します)


補足  その後の調べで、入力感度の低いチューニングメータもあることがわかりました。そのようなチューニングメータを使用しているときにはイヤフォーンを利用したコンタクトマイクは出力が不足する場合も有ります。そのことをご承知おきください。
ゲインブースト出来るエフェクターを間に入れれば問題は解消します。その為にもモノの変換プラグがあるとよいですね。



チューニング用コンタクトピックアップ製作

ジャンク箱を整理していたらピエゾのブザーが出てきました。

ピエゾ

ピエゾを使った各種実験のときに一袋数百円で買ったものの残りでしょう。
何か使い途はないかと考えてみました。
すると台所の小物掛けが目に入りました。フックがついた吸盤で、レバーを倒すとぴったりと吸い付くというもので、100円ショップで買ったものです。

吸盤フックと

このふたつを組み合わせるとチューニング用のコンタクトピックアップが出来るのではないだろうか・・・そう考えて試してみました。
フック部分は邪魔なので切り取り、レバー部分に両面テープでピエゾブザーを貼付けます。

両面テープで

ピエゾをケースごと貼付けていますが、中身をだして貼付けてもよいです。
適当なシールド線をつないで、線がぶらぶらしすぎないように接着剤などで工夫すれば良いと思います。
ギターの適当なところに吸い付けてアンプから音を出してみると、まあ、それなりの音がします。チューニング用ピックアップとしては充分でしょう。

たまたまあった材料で作ってみましたが、この為だけに部品集めをして作ることは無いと思います。市販の同機能の製品を買うほうがベターだと思われます。

しかし15分くらいの作業でコンタクトピックアップを作れたので満足しています。使い心地はなかなか良いです。


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前回の吸盤タイプはギターの各部に貼ることが出来て、各所の振動具合を知ることが出来るので、面白いです。
しかし、使い勝手では、クリップタイプのほうが良さそうに思えます。クリップタイプは、ヘッドとか、取り付け場所がかぎられますが、チューニング目的には充分です。
というわけで、物干用クリップにピエゾを貼付けて、クリップタイプを作りました。

クリップ

たいへん便利に使えています。
ここでもやはり問題なのは、ピエゾがそんなに簡単には家庭にないことです。わざわざ専門店で部品集めをするようではこの記事の意味が半減します。何か簡単に手に入るものは・・・ありました。

100円ショップで売っているイヤフォーンと大きめの洗濯バサミ、これなら手に入りやすいでしょう。
ステレオイヤフォーンの片側(つまり50円)と10個で100円の洗濯バサミ(1個あたり10円)それにプラスアルファーで適当なプラグ付きシールドがあればクリップ式のコンタクトマイクが出来そうです。

イヤフォーン

このふたつを組み合わせてみると、なんとぴったりと収まりそうです。

ぴったり

適当におさめてホットグルーで固定しました。シールドもつないでさらにグルーで固め、結束バンドで固定しています。

完成

この写真のものは洗濯バサミの先端を切り取ってありますが、特にそうしなくてもよいです。(ちょっと試したいことがあって切り取りましたので)

このイヤフォーン利用は出力が小さいです。アンプにつないでみるとピエゾよりずっと小さな音しか出ません。しかしチューニングメーターに接続すると期待通りの働きをしてくれます。楽器のヘッドなどにぴったりと押し付けられている為か、外部の音がかなりある場所でも快適にチューニングをあわせることが出来ます。
総経費 60円プラスアルファのチューニング用マイクとしては成功なのではないでしょうか。


取り付け



(各画像はクリックで拡大します)

(ちなみにこの記事で使用しているイヤフォーンはどこかでただで貰ったもので、100円ショップで購入したものではありません。家庭にある使用しなくなったものなど、ほとんどのイヤフォーンで製作出来ると思います)


補足  その後の調べで、入力感度の低いチューニングメータもあることがわかりました。そのようなチューニングメータを使用しているときにはイヤフォーンを利用したコンタクトマイクは出力が不足する場合も有ります。そのことをご承知おきください。
ゲインブースト出来るエフェクターを間に入れれば問題は解消します。もしよければおためしください。



エピフォンの新製品

エピフォンの新製品 NEW Epiphone Swingster
ちょっと興味あるなあ〜〜価格はいくらなんだろう?

詳しい紹介とサウンドサンプルはここにあります。

epiphone




ギターじゃないけど

ギターではないのですが、、、細かい経緯は抜きにして、、、ダラブッカが我が家にやってきました。国立にあるポーキーさん(POKIさん)のお店のコンガボンゴで購入しました。
ダラブッカと一口に言っても多種多様であり、エジプトタイプとトルコタイプに大別されます。購入したものはトルコタイプでさらにブラジルのBauer社製というものです。

ダラブッカ_1
(画像クリックで拡大)

Bauerのダラブッカはカラカラとしたエジプトタイプの音とは違って低音が豊かな重厚感のある音がします。ヘッドの口径も10インチと大きめです。もともと張ってあったヘッドは黒い太めの縁取りがしてあります。少しミュート気味のような感じがします。
ヘッドを外して指で押してみると、ヘッド素材の感触が変わっていて、なんとなく柔軟な弾力があるようです。これも音に大いに影響していると思います。

というわけでPOKIさんに相談したらいくつかのヘッドを候補としてあげてくれました。
ヘッドの口径が10インチ、というのがヘッドの選択肢を拡げてくれているようです。

ダラブッカ_2
(画像クリックで拡大)

この4種類のなかからとりあえず使うヘッドを選ぼうと思います。
Bauerのヘッドが一番重い音がします。本革はとてもいい感じなんですが、ずぶずぶの初心者にはもったいないです。クリヤーのヘッドは一番軽いパキッとした音がします。しかしこれも超初心者である僕には難しい感じです。
というわけで、現状はGOPEと書いてあるヘッドを使っています。
もともと張ってあったBauerよりちょっと軽めの音がします。

このBauerとGOPEのヘッドの材質はよく似ているように見えるのですが、じつは、大いに違うのかもしれません。ヘッドについたへこみを解消しようと思って熱めのドライヤーをかけてみました。GOPEのほうはスーっとへこみが解消するのですが、Bauerのほうはうまく解消されません。なかなか興味深いものがあります。Bauerのヘッドにも種類があるようなので、いろいろ試してみたいです。

現在の状態です。
ダラブッカ_3
(画像クリックで拡大)

練習しなくちゃ!!!!!!!!



POKIさんのお店congabongo

http://www.congabongo.com/


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ギターじゃないけど  その2


**ミニジャンベ

数年前にフランス・ブルターニュで開かれた音楽祭に行きました。世界各国からミュージシャンが集まっていて、そのなかにアフリカからの一団がいました。出演者というわけではなく、通りにジャンベを数多く並べ、圧倒的なパワーで叩きまくっていました。通りがかりの人たちも巻き込んで楽しいストリートパフォーマンスでした。
並べてあるジャンベは「展示即売」らしく、僕も出来るだけ小型で音が気に入ったものを買い求めました。

ミニジャンベ
(画像クリックで拡大)

作りはとても粗くでこぼこしてますが、ちょっと気に入ってます。




**よくわからない太鼓
上のジャンベとはまた別の時期にフランス・パリの9区か10区あたりのよくわからない店で買ったと思います。旅先で音が出るものが欲しかった・・・多分そうだと思います。

インド?
(画像クリックで拡大)
どこの太鼓なんでしょうか、調べていないのでよくわかりません。インドでしょうか?
叩き方もわかりませんが、軽い音でかわいいです。
情報をお持ちの方、この太鼓がなんであるか、ご教示いただけると幸いです。




spidercapo スパイダーカポ

ネットでふらふらしていたら、こんなカポを見つけました。
スパイダーカポです。
スパイダーカポ

もう十年ぐらい前になるでしょうか・・・僕も弦を選んで押さえられるカポが欲しくて何種類か試作していました。実験段階ではなんとか使えても、実用化はうまくいきませんでした。

このスパイダーカポはちょっとごついですけど、実用化に成功したようですね。
日本に入ってますか? 是非試してみたいんですけど、まだ見かけません。

DEMO VIDEOをみるとかなり楽しそうです。特にドローンを効果的に使えそうです。

情報をお持ちの方 ご教示いただけると幸いです。

Callaham ABR-1

カラハム ABR-1の1
(画像クリックで拡大)

カラハムの新しいABR-1ブリッジが届きました。
ギブソンのTune-o-maticにそのまま載せ換え可能なリプレイスメントパーツです。

特筆すべきことはその製造方法です。一般的にこのブリッジは鋳物で作られますが、カラハムでは、スチールのブロックから削り出しています。なんでこんな手間のかかることをするのか・・音がまったく違うようです。

上の写真は左がエピフォンのFVについていたもの、右がカラハムです。重さを量ってみたところ、エピフォンは48g、カラハムは59gでした。

お察しの通り、いつもの実験用FVに取り付けることにしました。カラハムに付属してくるサムスクリューは工夫を凝らしたもののようですが残念ながら、エピフォンのスタッドとは太さが違い、今回は実験できませんでした。こんどまたレスポールで実験してみます。

もうひとつ書いておくべきなのは、ブリッジ自身をスタッドに固定できることです。
カラハム ABR-1の2
(画像クリックで拡大)
6角レンチが付属してきますから、諸々の設定が終わったらこの写真のところにあるネジを締め込んで固定します。

驚いたのは工作精度の高さです。普通のABR-1タイプはブリッジサドルとサドル用ネジが簡単に外れます。それで弦が切れた時などによくブリッジサドルを落としてしまいます。細い針金のリテーナー・ワイヤーがそのような事故を防止しています。
ところがカラハムのABR-1ではサドル用のネジがぴったりとはまっていて、容易には落ちません。というか、サドルを取り外すのに苦労します。僕の好みのサドルの向きというのがあるわけで、その通りにしようと思ったら、なかなか外れてくれません。それくらいぴったりと精度高く作られています。

肝心の音はと言うと、タイト&クリーンです。ぼくのFVの低音は、少しブーミーなところがあったのですが、Lowはあるのにしまっているという、理想的な状態に近づきました。
また各弦の干渉具合が変わったのか、弦の分離が綺麗になりました。サスティーンも伸びたみたい。

これ、とても良いです。Tune-o-maticを搭載している他のギターすべてで試してみたくなりました。要するに、よく考えられた素材でちゃんと工作精度を高く作れば、各種ロスを減らすことが出来て、音が良くなるということみたいです。

カラハム・ギター
callahamguitars

このFV、分離の良いピックアップと分離の良いブリッジとで見違えるようなものになってきました。今後どうなっていくのか・・・ちょっと楽しみです。


追記:ヒューマンギヤでの販売価格が決まったようです。
   詳しくは
   ヒューマンギヤ
   で確認して下さい。

LindyのPure PAFとSplit-Blade

pure_paf
(画像クリックで拡大)

Lindyの新製品2種が届きました。
Pure PAFとSplit-Bladeです。

まず手始めにPure PAFから。
結局いつもの実験用のフライングVに装着しました。
ピックアップ高さは一応ギブソンの標準程度に合わせました。
ポールピースは梱包されていた時のままで触っていません。ネジの頭を見ると微妙に調整されているような気もしています。ですからこれがLindyサイドの意志と受け止めることにしました。

早速音を出してみると、上品!!!そのものです。出力は小さめでとてもクリヤーです。弦の分離が非常に良い。これはちょっと弾き手や音楽を選びそうな気がします。すごく真っ当に良い音なんだけど、僕の手には余るかも。というわけでピックアップ全体を少し上げて、わずかに出力が上がる方向にしました。ごく僅かなんですけど、俄然弾きやすくなりました。
全体に誇張が無く、特に高音域のスムーズさは好感が持てます。

ここで初めてスペックをチェックしました。(事前に調べると音の判断がそれに影響されてしまいそうです)
ネックが約7.5Kオーム、ブリッジが約8Kオームと、最近のピックアップの中ではターン数が少ないほうだと思います。さらにLindyのページによればマグネットも弱めにしているらしいです。これらの事やコイルの線材の選択などで、『純粋に』オールドっぽいPAFの音を実現できたようです。
Lindyのページの売り文句でも、そのクリヤーさ、分離の良さが書かれています。僕の印象は間違っていなかったと、一安心しました。

リプレイスメントピックアップでこれくらい誇張が少ないものも珍しいのではないでしょうか。一般的に、特徴を出そうとしてか、派手めになる傾向があるように思いますから。
ターン数の多いパワーで押すピックアップからPure PAFに載せ換えるとその繊細さに戸惑うかもしれません。
はったりの無い音ってちょっと怖いですけど、なんとか頑張って弾きこなせるようになりたいと思っています。

************************************

lindy_split
(画像クリックで拡大)

次はLindyのSplit Bladeです。
これは形から言って高音側と低音側にそれぞれコイルを持ったハムバッカーだと思われます。
写真で見てわかる通り、底面にヨークを形成するような金属板が取り付けられています。実際の構造がどうなっているか、詳しいことはわかりませんが、興味深いです。
カラーは写真にある黒と、白との2種類があります。僕がストラトにつけたのは写真のものとは違って白いものです。
出力に3種類あって、Vintage、Blues、High Outputとなっています。
僕が使っているのは基本的にVintageのはずなんですが、一部はBluesかもしれません。ちょっとラベルが混乱しているようでよくわかりません。

取り付けたギターは70年代のフェンダーストラトにフロイト・ローズをつけたものです。
ピックアップ高さはいちおうフェンダーの標準値を参考にしてみましたが、フェンダーのオリジナルピックアップと同様に考えても良いものかどうか、ちょっとわかりません。音を出しつつ調整することになりそうです。

出力は結構あります。
音の感じは、言葉で言うのは本当に難しいのですが、いわゆるシングルとは違うと思います。オリジナルのピックアップが持っていたザックリ感が少し足りないように思うのです。
とは言っても、他のシングルサイズのハムバッカーなどと比較試聴しましたが、Split Bladeの音はなかなか良いと思います。イメージとしてはいわゆるハムバッカーとシングルのちょうど中間で、少しシングルよりなのかなと思います。
またレンジは実効的な中音域に集中している感じです。歪ませる場合を考えると、余分な成分が押さえられていて、かえって都合が良いのかもしれません。
ノイズの少なさなどから考えても、歪みメインでたまにクリーンも使うというような使途にちょうど良いのではないでしょうか。

ピックアップ高さは結局これの場合も標準より少し高めに設定することになりました。すっきり感をのぞむなら標準か僅かに低めぐらいが良さそうなんですけどね。残念ながら僕のプレイが追いつきません。
この状態でしばらく使ってみます。

Lindy Pickupについてのお問い合わせはヒューマンギヤまで。
ヒューマンギヤ



     

新しいスライドバーと複数のカポを使ったプレイ

だいぶサボってしまいました。
またぼちぼちと更新することにします。

新しい形のスライドバーを見つけました。このページに情報があります。
swivelslide
デモの動画を見るとスライドの向きを一瞬で変えていますが、
まるで手品のようです。
こんなにうまく使えれば良いですねえ。

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ギター関係のいろいろなニュースレターを購読しています。
その中のひとつacousticguitar にでていた複数のカポを使った
変わったプレイ方法。

3個のカポ

これを見て興味を持った人はこの記事を是非!

multiple capos



ピックについて(改訂版)

以前に書いた記事ですが、改訂版をアップします。昔はこんな文体でも書いていたんですね。なつかしい。

****************************
 楽器屋さんにいくと各種多様なピックが売られている。
 使用するピックの選択はどうしたらよいのだろうか。スタジオでプロミュージシャンの使用ピックを見ると、ポリシーを持っていると見受けられる人と、そうでもない人がいるみたいだ。 インタビューでアール・クルーが答えているところによると、とにかく楽器屋さんにあるピックをすべて一枚ずつ買ってきて、自分にあうものを選べと答えている。 そうするのが理想だが、実際問題としてそうもいかない。そこで、僕が今まで使ったピックから紹介してみようと思う。

***鼈甲が最高*** 
bekkou
(画像クリックで拡大)

まず材質だが、ダントツに良いのは鼈甲(本物)である。触ってみてかたすぎるように思うかもしれないが、弾いてみると「弦離れ」が非常によく意外にかたさを感じない。音の粒だちが良く、コードストローク、単弦弾きどちらも良い。特に両者が混在しているような弾き方のとき、単弦弾きが弱くなってしまいがちだが、鼈甲ピックではその落差が少ない。ほかのピックではかなりピッキングに注意しないと良いバランスにならない。鼈甲で弾いてくれると録音側はとっても楽が出来る。消極的理由でかけるコンプ/リミッター・EQの量を少なく出来る。(積極的理由でかけるコンプ/リミッター・EQについては、この限りではない) エレクトリック、アコースティックともに好結果が期待できる。手に入りづらいことと高価である(¥1000〜1500?)ことが玉に瑕である。一時、取り引き禁止になったとの話があったがどうなんだろう?ワシントン条約の条項が誤って伝わったものなんだろうか。現在でも入手できる店はあるので・・・ 選ぶ際の注意としては、さすが「生もの」一枚ずつ音が違うので、何枚か弾き比べて、好みのものを選べばよい。微妙な反りや粘りの違いもあるみたいだ。形状もメーカーによってなのかもしれないが、少しずつ違いがある。 あまり減らないし長い時間使えるのでコストパフォーマンスは良いのかもしれない。昔風のギタリストの話では、指の熱と圧力でしだいに自分の指にぴったり合うように変形してきて、長く使えば使うほど弾きやすくなってくる、ということである。
変形しすぎたものは濡れタオルとアイロンで修整できる。

***クレイトンの半透明はなかなか良い***

 つぎにお勧めなのがクレイトン社の ULTEM TORTOISEという名前が付いたピック(ルックスは半透明で鼈甲模様ではない)である。
clayton
(画像クリックで拡大)

クレイトン社からは白っぽい素材のものもでているが、これではない。 鼈甲のピックを机の上などに落としてみるととても乾いた良い音がするのだが、クレイトンのこれもとてもよく似た良い音がする。弾いてみると、完ぺきに同じというわけではないが、音の傾向がとてもよく似ている。 厚さは5種類ぐらいあって好みに合わせて選べる。どの厚さも、クニャクニャしたりあるいは変にゴツゴツしたりすることも無く、とても弾きやすくしかも音が良い。値段はアメリカのショップで普通のピックの3倍ぐらいの値段で売っているので、ちょっと高め、というところだろうか。

***デルリン製はわりと好きかな*** 

各社からデルリン製のピックが各種でている。JIM DUNLOPやFENDERなどからでているカラフルな艶のあるピックである。
del
(画像クリックで拡大)

この素材は滑りがとても良いみたいで弦にピックが当たっている時間が短く、「弦離れ」がきれいだと思う。アタック時に変な振動を引き起こさないからだと思うのだが、抜けの良いきれいな感じの音がする。一枚のピックによる音の幅は前述の鼈甲・クレイトンほど広くはない。鼈甲やクレイトンULTEM TORTOISEは、じつはピックの厚さをそれほど選ばない。どれを使ってもそれなりの弾きやすさと音がする。デルリン製はそうはいかないみたいなので、各種厚さをそろえて使い分けると良いだろう。値段は普通(¥100ぐらい)、わりとどこのお店にもあって手に入れやすい。 一部のメーカーで仕上げが荒くてバリのようなものがでているものがある。これを気にして使わない人もいるのだが、それをのぞけば良い音がするので工夫して使うのが良いと思う。工夫といっても、ナイフで軽くバリ取りをするだけである。ナイフの刃を直角に近く立てて削り取るようにすると簡単にできる。何種類かのやすりを用意して削って仕上げても良いが、ちょっと工作の知識がないときれいな滑らかな仕上げにはならないので、かえって面倒かもしれない。 ナイフでバリ取りするついでに、ポイントの形状角度を各種作っておければなおバリエーションが増えて便利だ。僕はとんがったものとか丸めのものとか暇なときに作りためている。

***TORTEXも音は好きなんだけど*** 

JIM DUNLOPからでている、艶消し気味のエッジ処理がわりとスクエアなピックである。
tot
(画像クリックで拡大)

汗をかいても滑りにくく、ベースに使っても好印象だ。音は鈍そうな見かけより乾いた音がする。ある種のセラミックっぽい印象すら僕は持っている。 ある仕事での、ギターテクニシャンの奥の手は各種厚さのTORTEXピックだった。それぐらいこれに惚れ込んでいる人もいる。素質は良い。 ただひとつ改善できないのかなと思うことは反っているピックが見受けられることである。厚めの物は良いのだが、薄くなるにつれ反っているものが増えてくる。何か「目」のようなものがあるみたいで、反り方に二種類あるようだ。いずれにしても限度を越えれば弾きにくい。 値段はやはり¥100ぐらいで、どこのお店でも買えるようだ。アメリカでの値段は前述のクレイトンは高くて60セント、デルリン、トーテックスは20〜25セントぐらいだ。(安い!) 日本で買うピックは高い。ピックだけを買うなら送料は安いので、僕はもっぱら通販でまとめて買っている。安く手に入れたものなのでミュージシャンにもテスト用に気軽くプレゼントしている。一枚¥100以上ならとてもこうはいかないと思う。

***ナイロンピックと金属ピック*** 

ナイロンピックはある時代を風靡したものだが、僕は今は特殊な場合にしか使わない。アタックのあり方が好きじゃない場合が多いから。しかし、各社から多くのモデルが出ているということは、それだけ売れるということだろうか。ナイロンピックを使うと、まあ、うまそうに聞こえて気持ちが良い、ということは有るかもしれない。僕にはそれがアタックの曖昧さに聞こえてしまうのだが。

 金属のピックは見かけとでる音が違ってめんくらう。以前からステンレスっぽい素材のものがあったと記憶しているが、意外とソフトな音色で驚いたことが有る。テックピックというファイバーのピックを開発しているメーカーで、金属ピックも製作していた。僕がファイバー製のものに興味があり直接連絡していた関係上、何かのついでに試作品や製品化されたものを同封してくれていた。
kinzoku
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アルミのもので削り方を変えてみたり、塗装を変えてみたり、磨き方を変えてみたり、合金加工を変えてみたり、真鍮製にしてみたり、銀製を作ってみたり・・・いずれも見かけとは違って、落ち着いた音色で、密かに好きだったりする。とくにしんちゅうのものは重さもふくめてこのみかな・・・ 一部のものは普通に買えると思う。お店には並んでないかもしれないので、メーカーに連絡をとるのが手っ取り早いかもしれない。あっ、これは既に普通ではないか。 金属というと一般に何故か拒否反応が有る。すぐに弦が切れるとかキンキンするとか・・・でも試してみた結果なのかどうか・・・・ フィンガーピックの多くは金属で作られていて、べつに問題なく使えている。またコインで弾いているプロミュージシャンの話はよく耳にする。特に日本の5円玉はピックとして人気がある。穴開きであるということで汗で滑りにくく使いやすいらしい。しかも周りにギザギザがなくて、とても具合良いらしい。来日の際に大量に仕入れていくという話を聞いたこともある。 

***ピックじゃないけど・・***

 ピックじゃないけどバイオリンの弓でギターを弾くというのがある。ジミー・ペイジの得意技。その弓をうんと小さくして指につけて弾く?ようになっているのもある。ピラニアという名前みたいで、魚の絵が描いてあって、その口に指をかみつかせる。
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現物が今ここにあるが・・・難しい。アコースティックギターでやるほうが簡単で、ソリッドのエレクトリックではとっても難しい。ちゃんと使ってる人を見たことがない・・って、持ってる人に出会ったことも無い。
 それに比べるとEーBOWは大いに使える。
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命名の由来はエレクトリック・ボウということだろうか。時代とともに3種類ぐらいがでているようで、どれも使って好結果を得ている。

***練習専用ピック*** 

練習専用のピックも有る。
右が練習用。(左は先端をひねって弦との角度を矯正してあるもの)
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何種類か有るのかもしれないが、今まで見たものはいずれもピック先端部に変な出っ張りをつけたようなもので、ピックのあたり方が悪いと引っかかって弾けなくなってしまう。やってみたけどかなり難しい。 かと思うと指につけて鍛えるというオモリも売っていて段階に応じて何種類か有るようだ。まったくなんと言ってよいか・・・う〜〜ん、試してみたい!

***ティアドロップかトライアングルか***

 形状についてはどうなんだろう。僕はティアドロップ(スタンダード)のほうが好きなのだが、仕事で出会う人達は約半々のようだ。一般的にバレーでコードを押さえて、コードストロークで多くの弦を弾く、と言うスタイルの人にトライアングルが多いみたいだ。 反対にコードも2〜3弦だけで、単弦によるプレイが多い人はティアドロップを好むみたいだ。ちゃんと弾ければどちらでも良いんだけど、ちょっと気になる。 それからピックを持ったときの手のひらの形状だが、日本人はわりと開いて小指をどこかに着けていたりすることが多い。世界的?にはこのスタイルはむしろ少数派で、軽く手のひらを閉じている人のほうが多いらしい。 ピッキングのスピードということで見てみると、僕の観察範囲では、軽く握っているほうがスピードが速いみたいだ。ストローク、単弦ともに音の立ち上がりが良い。ピックのあたり方もこちらのほうが理想的な状態になりやすいようである。と言うか、ピックのあたり方をちゃんとコントロールできていると言うべきかもしれない。手を開いた状態ではどうしても手首の動き方が制限されるようだ。 もし両方のスタイルで弾ける人がいたら、是非意識して両方の音の違いとピッキングスピード(速いテンポという意味ではない。各ピッキングそのもののスピード)の変化を試してみてほしい。


       (この項 おわり)

サムピックを作る その1〜〜5

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従来からのサムピックが僕にはどうにも使いにくく、それなら手近の材料で作ってみようと思い立ちました。
薄めの皮革と滑り止めのゴム、マジックテープ、若干の接着剤と両面テープ、それと好みのフラットピックです。
出来上がりはこんな感じです。
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マジックテープで固定しますので、一応はフリーサイズです。大きめに作ったり小さめに作ったり、皮革の長さで自由な大きさで作ることが出来ますので、指の太さに対応できます。
概要をざっと説明します。
ピックの先端の出る量や角度はある程度調整可能です。
まず、皮革部分のスリットの両側に両面テープを貼ります。
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つぎに好みのピックをスリットに差し込み、ピックの先端の位置を好みに合わせて調整します。
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先端の位置が決まったらピックが動かないように注意しながら両面テープの保護紙を剥がします。
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ピックをそっと貼付けてから、反対側も剥がします。
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こちらもそっと貼付けます。
貼付けたあたりをゴムハンマーなどで軽く叩くとよく粘着します。
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両面テープの本来の粘着力が出るまで約24時間かかりますので、この状態で丸1日放置します。
これで完成です。
サイズは皮革部分を少し長めに作っておいて、完成後に切り詰めて調整すると良いです。
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ハサミで簡単に切れます。

概要はこんな感じです。
次回から各ステップの詳細について述べます。

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従来からのサムピックが使いにくいのは僕の場合次の3点です。

(1)ひとつはピックの固さというか、厚さというか、ピック素材が自由になりにくいことです。ホールド部とピック部をわけた製品はありますが、好みのものはなかなか見つかりません。

(2)つぎはアップストロークにむかないことです。ほとんどのサムピックはピック素材を曲げて指に装着するようになっていますが、その向きがアップストロークのときにはゆるむ方向にあり、指の周りで回ってしまうことがあるのです。回らないようにきつく締め付けるようなサイズのものを使うと指が痛くなってしまいます。

(3)最後はピックの先端位置が好みに合いにくいことです。奏法による手首の位置の違いなどによって弾きやすいピックの先端位置は異なってきます。従来のものはそれの調整は出来にくいです。

以上のようなことから、今回制作したサムピックは好みのピックを使用できて、指を無用に締め付けること無く、ピックの先端位置もある程度調整可能になっています。

使用する皮革は厚さ0.8〜1.2mm程度です。0.2mm違うとホールド感やフィット感がかなり異なってきます。プロミュージシャンの意見では0.8mmもしくはそれ以下のものの評判が良いです。しかし耐久性やホールド感でいうと1.0〜0.8mmぐらいが良いのかなと思っています。

皮革には滑り止めのゴムで裏打ちします。薄いもののほうが異物感が無くて好評ですが、これは使用する皮革の柔軟性とも関係してきますので、一概にはいえません。最近僕が使用している柔らかくて薄い皮革では、出来るだけ薄いゴムシートが良い感じです。
薄い滑り止めが手に入らなかったときには、滑り止めを一度接着剤で木材等に貼付け、無理矢理引きはがして、半分の厚さにしたりしていました。しかし、よく探してみると薄めの滑り止めのゴムが売られていました。今はそれを使っています。
ゴムシートで注意することは強化用の糸の入り方で方向性があるということです。これはゴムシートを持って引っ張ってみれば、伸びる方向と伸びない方向があるのですぐにわかります。僕は指の周りで伸びない方向になるようにして使っています。

ゴムシートを皮革に貼るのには接着剤を使います。これには溶剤を含まないタイプで、なおかつ柔軟性を保てるものが良いと思います。含まれる溶剤によってはゴムシートが変質することもあるようです。
僕が使っているのはセメダインのスーパーXのクリヤーです。
サイズ通りに裁断して貼付けるのでももちろんかまいませんが、ある程度の大きさの皮革の全面にゴムシートを貼って、不要な部分は後から引きはがしています。

マジックテープは粘着材付きのものを使ってます。粘着材の無いものも使ってみたのですが、僕にはどうもうまく使えません。粘着材付きをさらに接着剤で皮革に貼付けています。

接着部分の皮革の状態によって、ヤスリをかけたり、アルコールで拭いたり、良い接着が出来るように試行錯誤しています。皮革には詳しくないものでよくわかりませんが、皮革には色々な状態があるようです。

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前回書いた裏打ちした皮革と型紙です。
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型紙は適当な紙で何種類か作ってみて、実際に指に巻き付け、どのような形が良いか検討して下さい。弧を描いている曲線を何種類か作ってみると良いです。
今回紹介しているのはピックを通しているスリットが偏っているものですが、当初は左右対称で試作していました。
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この形だとピックを通す向きを逆にすると左用になりますので便利でした。
僕の弾き方ではまったく問題なく使えたのですが、プロの超絶テクニックによっては皮革の一部が弦にあたるとのことでした。それで現在のようなスリット部を遠ざけた形になっています。

紙で作った型紙がきまったら、皮革に写し取ります。僕は深く考えずにボールペンで写しています。皮革の色によっては鉛筆でも作業できる場合があります。
写し取った型に従ってハサミで切り取ります。僕はごく普通の工作用のハサミを使っていますが、まったく問題なく、楽に切り取ることが出来ます。
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決めた形通りに切り取ったら、つぎに穴とスリットをあけます。
穴はピックに加えられた力を適度に逃がす目的であけています。穴が無い場合には少しタイトな感触になります。
穴の大きさは皮革の柔軟性や使用したいピックによって各種試してみています。しかし、それほどシビアなものではないので、適当な感じで良いと思います。

スリットは24mmのノミであけています。

皮革の一方を二つに切れ目を入れてあります。これで親指の先のほうとか、つける場所による指の形に、広く対応することが出来ます。
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出来上がりはこんな感じです。

使用ピックはお好みのものをほとんど使うことが出来ます。(素材によっては両面テープが粘着しづらいものもありますが。ほとんどの素材は大丈夫です。)
エレクトリックを中心にプレイするミュージシャンはごく薄いピックを好むことがあります。今回のサムピックは、その要望にまったく応えることが出来ます。

試した結果ではデルリンのピックが非常に良いように思います。面白いのは同じピックでも、指に持って弾く時と今回のサムピックでは、音が異なることです。
指で持って弾くときには微妙にピックを押さえる力を調整しているらしく、どのピックでも自分好みの音色に近づくように調整しているようなのです。
サムピックではそれが出来ないため、各ピックの音色傾向が強く感じられます。

デルリン素材のもので、指で持ったときちょうど良い厚さより一段薄いものを使うのが良いように思ってます。例えば0.96を使っていた人は0.71を使ってみるとか・・です。

両面テープはニトムズの3620という型番のものを使っています。
3620
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これは一応金属用となっていますが、各種試した中では最も目的に合っていると思っています。あつさ0.4mmです。

両面テープを使う上での注意点は、使おうと思うところを綺麗にするということです。アルコールを湿した布などでさっと拭いてからよく乾燥させておく等の作業が必要かもしれません。また、2度3度の貼り直しでは粘着力が低下しますから、1度で希望どおりに粘着できるように貼る位置の確認をして下さい。
両面テープの粘着力が発揮されるまでには約24時間かかります。貼ったらすぐに試したいところですがグッと我慢して翌日にテストを開始して下さい。




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試作したサムピック各種です。

s_pick_ang_.jpg
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わかりにくくて恐縮ですが、僕はピックの先が少し爪先よりになっているものが弾きやすいです。ピックを出す量は短めです。
ピックの先がどこにあるかはかなり重要です。1mm変えると弾きやすさに影響します。
プレイスタイル/テクニックによっては爪先とは反対側・・指の関節側にきているほうが弾きやすいこともあるそうです。
このピックでは微妙に調整することが出来ますので、ベストな位置を得られやすいと思います。
角度や先端を出す量を変化させて両面テープで仮止めして試すことを何度かやれば、良い位置を見つけられると思います。
良い位置を見つけたなら、ピックの印刷などを参考にして、その位置を記憶します。
新しい両面テープで決めた位置にピックを貼り直してよく圧着します。
24時間経ったら完成です。

以上のようにして製作できるのですが、誰にでも作れるかと言うと、そうでもないのかなと思います。というわけで、製品化の道を探っています。数多くは作れないので、とりあえずオーダーメードで製作しようかな〜〜とも思っております。



             (この項 おわり)

サムピックを考える(サムピックを作る・序章)

ピックネタをもうひとつ。
使い易くて、指が痛くならないサムピックは作れないものか・・
そんな考えから、サムピックを試作中です。
目指しているものは
*厚くて固いピックや薄くて柔らかいピック(ティアドロップ型フラットピック)を自由に使えるようにする。
*右手用にも左手用にもなる。
*フリーサイズで、太い指でも細い指でもフィットするようにする。(限度はありますが)
*ピック先の位置(ピックの角度やピックの飛び出す分量)をある程度設定できるようにする。

などなどちょっと欲張った路線で進めています。
しかし、かなり難航していて、まだ発表する段階には至っておりません。

試作品はいろいろな方に送って御意見をいただき、改良を進めております。
もうすこしで記事に出来そうな気はしているのですが・・・・・・

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試作品にご意見をいただいている方の中にあの「いちむらまさき」さんがいらっしゃいます。
いちむらさんはサムピックに造詣が深く、独自の工夫をされたものを特注して使用されています。スライドギターの名手「サニー・ランドレス」さんはそのピックを使って気に入り、いちむらさんの特注品のサニー・ランドレス・モデルを使っているそうです。

というわけで、僕にも送っていただきました。
写真ではわかりづらいと思いますが、各所に工夫がされています。
一般の市販品とはひと味違います。

いちむらさんのサムピック
s_pick_1_.jpg

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                (この項 つづく・・かも?)

曲がったピック・・何故だろう?


ピックが曲がってしまいました。
机の上にグラスに入れたピックがあります。
ふと見たら3枚がグニャリと曲がっているのです。
曲がったピック

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何故なんでしょうねえ。
ピック素材同士の「相性」があるのかもしれません。
隣り合わせにしてはいけないピック素材があるとか・・・

         (この項 おわり)

リンディのP-92

リンディ・フレイリンLindy FralinのP-92ピックアップを試してみました。

p92_gaikan

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リンディのページによれば、これはハムバッカーであり、構造はスプリット・シングルで、外来ノイズを防ぎながら、シングルコイルの音がする・・・とのことです。
ハムバッカーサイズなので使い途が広いだろうと思って興味津々でした。
外観的にはフェンダーのハムバッカーに似ています。
さっそくFVのフロントに取り付けてみました。
サウンドは太くて、出力が大きいです。ストラトのシングルと比較するとその違いがよくわかります。直流抵抗は約7.6kΩです。リンディではオーダー時に8000ターンから11000ターンまで指定できるようですが、僕が入手したものが何ターンのものなのかは、残念ながらわかりません。

音の印象は、太く、かつ繊細で非常に良いです。下部にマグネットを持っていてネジのポールピースを持っているという構造からでしょうか、P90の延長線上に在るように思います。P-92というネーミングをみると、ねらいはその辺りに在るのかもしれません。

同じシリーズでTwangmasterというのがあって、それはアルニコのロッドがポールピースになっているようですので、そちらはフェンダーの大型のシングルコイル的なのかもしれません。単に想像ですけどね。P-92よりもクリアーだとリンディのページには書いてあります。そちらも是非試してみたいものです。

一応ニッケルのカバーを外して中を見てみました。
p92_naka

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こんな感じです。

                (この項 おわり)

ピックアップ調整

**ピックアップ調整

ピックアップ調整についてリクエストをいただきました。ありがとうございます。
簡単ですが僕が思うところを書きます。
 弦とピックアップの関係はこのようになっています。
pickupchosei

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問題はふたつあります。
ひとつは弦が指板のRに合わせてあるために弦によってポールピースとの距離が異なる事です。
もうひとつは弦のゲージによる出力差です。

(1)弦のRに合わせるという考え方によると次の図のようにセットする事が考えられます。
pickupchosei_r

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(2)つぎに弦の太さによる出力差を是正すると考えます。一般に巻き弦よりプレーン弦の方が出力が大きいので、最近の弦のセットでは次のようになります。
pickupchosei_g

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実際にはこの二つの考え方を組み合わせて、ピックアップのバランスをとる事になります。
一例をあげます。
pickupchosei_2

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磁気フィールドのあり方や弦のゲージ、指板にそった弦のRのあり方などによって多少の違いは有りますが、概ねこんな感じです。
この図をどこかで見たな・・と思われるかもしれません。最近のストラト用のスタガードピックアップ(トールDと呼ばれているかも)のポールピースの出方にそっくりです。
pickupchosei_n

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普通に考えるとこの図から大きく外れるようなポールピースの設定は特殊な場合に限られると思います。
普通のダブルコイルハムバッカーは、ストラトのようなシングルピックアップとは磁気フィールドのあり方とかが異なりますので、このまますべて当てはまるとは言いませんが、基本的にはこのようなならびになるのが自然です。

ピックアップのポールピース調整で気をつける事は、この調整を過信しない事です。
期待を裏切る例はいくつかあります。
たとえば、ビンテージのストラトのピックアップは第3弦が巻き弦である事を想定していますから、そのポールピースが高く出ています。
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pickupchosei_v

(画像クリックで拡大)
最近の弦セットを使うとプレーン弦の第3弦が突出する・・・そういう結果になる筈ですが、実際にそう感じた事はありません。多くのプレイヤーがビンテージピックアップを使っていますが、バランスが悪くて困ったというような話を聞いた事が有りません。

次のようなピックアップのバランスが悪いなどという話もあまり聞きません。
pickupchosei_f

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ポールピース高さによる調整は「穏やかな調整」の部類に入るものであって、ポールピース間の相互作用などの影響を考えると、極端な凹凸は必要ないと考えています。個々の弦に注目するより、全体としてのそのピックアップの傾向がどうであるかを考える方が得策のように思います。

********************************

とはいってもポールピースの調整は追求してみたいものです。
僕の方法を紹介します。

*まず第1弦と第6弦のポールピースを同じくらいに少し高めになるように出します。
*つぎにプラスチックの定規を第1弦と第6弦のポールピースにあてて、中間の各ポールピースの高さが均一になるように調整します。いったん6個のポールピースの高さを同じにしてしまうのです。

*次からの項目は指板のRやゲージによって一概には言えないのですが、一応の目安として。
指板が平らなときには調整量を少なくすることもあります。全体的に少なめの調整量の方が安全です。

*第2弦のポールピースを1/2回転締め込みます。
*第4弦は1回転上げます。
*第5弦は1/2回転上げます。
*指板のRによっては第3弦を僅かに上げる(1/4〜1/8回転)事も有りますが、それは後で決めます。

*ピックアップ自体の高さを調整します。最終フレットを押さえた状態で第1弦と第6弦のポールピース上面と弦との間隔を次のようにします。

 フロントピックアップ 第1弦・第6弦 同じで3/32インチ(約2.4mm) 
             
 リヤピックアップ   第1弦・第6弦 同じで1/16インチ(約1.6mm)
 この数値はギブソン社の標準のものです。

*この状態で音を出してサウンドをチェックします。
 チェックするのは全体の傾向です。
 もし、よりクリヤーな方向が欲しいとき・・ポールピースを6個とも同じ分量だけ出します。
 例えば1/4回転分とか1/2回転分とかです。
 もし、よりファットな方向が欲しいときには6個のポールピースを同じ分量だけ下げます。

*ポールピースの出方が変わりましたから、もう一度弦とポールピースの間隔を標準通りに合わせます。

**これらの作業を繰り返して、全体の傾向としてのピックアップの状態を決めます。

 もしポールピースをどんどん下げていって、どれかのポールピース(僕の調整では第2弦が一番低くなる)がピックアップカバーより低くなってしまう場合(カバー付きの場合ですが)そのピックアップはそもそも好みに合っていないのではないかと思います。

この調整が出来たら次に各弦ごとのチェックをします。
好みによって各弦ごとのバランスを調整するときには必要最小限に留めて下さい。極端な凹凸は状態を不可解にするだけだと、僕は思っています。

最終的にまた弦とポールピースの間隔や、状態再現に有効な各数値をチェックして、記録or記憶して下さい。




          (この項 おわり)

弦高を考える  その1〜その4

*** 1円で入手できるゲージ ***

弦高について少し考えてみようと思います。

まずその前に弦高の測り方です。

一般的なのはフレット上に正確な定規をたてて、フレット上面と
弦の下側との隙間を読み取ります。
みる角度によって違いが出てしまいますので、正確な数値を得られ
る見やすい位置を覚えて下さい。

弦高を測るもうひとつの方法に隙間ゲージをフレットと弦の間に差
し込むというものがあります。コツが必要ですが、差し込んだ時に
弦が触れるか触れないかぐらいのものをその隙間の数値とします。

これには厚さがわかっている板状のものなら何でも使えます。
たとえば1円硬貨。これの厚さは約1.5mmです。1円で入手できる
隙間ゲージというわけです。

同様に100円硬貨は約1.7mm厚です。

10円硬貨は新品のときは一応1.3mm厚らしいのですが、変形が激
しいのか、実測では1.5mm厚付近のものが多いです。
また500円硬貨は1.8mm〜2mm厚らしいです。旧型と新型では
微妙に異なっているそうです。

日本の硬貨は直径などははっきり決まっているのですが、厚さに
関しては規定が無いようです。

実測では1円硬貨と100円硬貨の厚さが安定しています。

他に厚さがわかっている板状のもの・・身近にあるものでは
ピックがあげられます。

.71とか.88とか1.14とか書いてあるものがあります。
これを測ってみると結構正しい数値を示します。
(たまに全然駄目なものもありますが・・・・)
僕は厚さ0.88mm〜〜1.14mmのものを便利に使っています。

また1枚だけでなく複数枚を組み合わせるといろいろな厚さを
得る事が出来ます。
たとえば.96と.71を重ねて1.67mmを得るというような事です。
絶対に正しいかと問われれば「そうではない」と答えるしか
ありませんが、目安としては充分に使えるものだと思って
います。

注意としては出来るだけそりの無いものを選ぶようにして
下さい。
そっているものはきちんと重ねる事が出来ません。


               (つづく)
*************************************
その2
*** 弦高を下げられない ***

よくある質問は、弦高を思ったように下げられないという
ものです。弦高を低めにセットするとビリ付きが出てしまう事が
往々にしてあります。
このような場合、チェックするのはネック、フレットの状態です。
フレット上面で直線性が出ていないと思うようにはいきません。
特にハイフレットになるに従ってビリ付きが出るようなときは要注意です。
それらのときの状態は図のようにハイフレット部が盛り上がっていることが多いです。

もりあがり

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これは、多くの場合、トラスロッドでは修正できません。
根本的な解決策は一度フレットを抜いて、指板面を修正し、もういちどフレットを打つ事ですが、かなり大変な作業です。
もしフレットの高さが充分に残っているときには、注意深くフレットの擦り合わせをすればある程度解決する事が出来ます。
僕が所有するギターでこの傾向のものが何本かありましたが、フレットの修正でなんとか良い状態にする事が出来ています。

どれくらいまで弦高を下げられるのかやってみました。
ほとんどのギターで約1mmくらいが限界なんですが、中に非常に良いものが有って、それは1mm以下に設定可能でした。
しかし、音色やその他の事情から極端に低い弦高は考えものです。
指板のRとも関係してきます。

次回は個別の事情について考えていきます。

***********************************
その3
 *** チューンオマチックの場合 ***


 これは実験用に所有している、多分、韓国のUnSung製のギターです。
UnSungは自身のブランド「シルバー・スター」以外に多くのOEM製品(エピフォンブランドなど)を作っています。これもそのひとつだと思われます。
本当にこれがUnSungの ULP523だとすると、そのスペックは下記の通りです。

BODY : MAHOGANY/QUILTED TOP
NECK : HARD MAPLE,SET NECK
F/B : ROSE WOOD
SCALE : 24.7"
PICKUP : 2HB
CONTROL : 2V2T3T/SW 1JACK
BRIDGE : TUNE-O-MATIC
COLOR : HB
BINDING : ABALONE PEARL

un_sung

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派手なレスポールもどき・・・といった感はありますが、基本的な作りがしっかりしているので、実験素材として最適です。

ネックおよびフレットの状態はたいへん良く、僅かな擦り合わせで満足できるものになっています。
弦高の調節はブリッジ部のサムスクリューで行います。写真は6弦側ですが、同じように1弦側も調整します。
un_sung_b

(画像クリックで拡大)
このギターでどこまで弦高を下げられるかというと、約0.8mmくらいです。指板のアールはかなり平らで、大体16インチぐらいですので、ハイポジションでのチョーキングでも、ビリ付きなどの問題は生じません。なかなか立派です。

しかし、ここまで下げてしまうとかえって引きづらく感じてしまいます。フレットがそれほど大きくないミディアムが打たれているという事も有って、指への弦の感じ方や引っかかり方がピンとこないのです。
それと、ピッチ関係はバッチリ合っているはずなのですが、なぜかコードのまとまりが悪く感じてしまうのです。押さえている指の力が微妙なところでばらついているのかもしれません。
音色はぺたぺたした感じで、ピッキングによるニュアンスの出方が平均化して、平板な印象になってしまいました。

そこで、音色と弾きやすさの双方を考えながら少しずつ弦高をあげていきます。サムスクリューで少し上げて、チューニングして弾いてみる・・という事の繰り返しです。

良い感じになったところで弦高を測ってみると、1弦で約1.0mm、6弦で約1.2mmでした。

他のギブソンレスポールなどのチューンオマチック搭載機で同様にやってみると、だいたい1.0mm〜1.2mmの間で良い感じになります。僕の指ではこのあたりがちょうど良いようです。

使用弦は0.009のセット、0.010のセット、それらのヘビーボトムなど各種ですが、どの弦セットでも同じようなところに落ち着きますので、ゲージによる差は無いように思っています。

弦高が決まったらもう一度ブリッジ調整やピックアップ高さを確認しておきます。

                 (つづく)

注  弦高は第12フレット上で弦の下側との間隔を測っています。




*********************************
その4
*** フェンダー系の場合 ***

フェンダー系だからといって特別な事は無いのですが、注意点をいくつか。

いわゆるヴィンテージスペックの指板のR(7.25インチ)の場合はハイフレットでのチョーキング時のビリ付きが顕著になります。したがって極端に低い弦高にする事は出来ません。最近の少し大きめのRになったものと比較して若干高めにセットする必要が有ります。
ある資料によれば、フェンダー社の標準弦高は7.25の指板の場合は17フレットで測って5/64インチ(約2mm)です。1弦側と6弦側で別々の数値になっている資料も有ります。

しかし、カスタムショップ系の資料を見ると、同じく17フレットで測って、4/64インチ(約1.6mm)となっています。
実際にやってみて、このカスタムショップ系の数値が最適であるように思っています。12フレットで見て1.3〜1.4mm程度です。弾きやすさ、音色、ビリ付きなどを考慮に入れて最もよい状態にすると大体このあたりに落ち着きます。

指板のRは最近のものは9.5インチのものが多いようです。この場合にはもう少し弦高を下げられます。

フェンダー社のマニュアルによれば、マイクロチルトつきのギターでは弦高の調整はそこでおこなえと書かれています。個々のブリッジサドルには触らずに、ネック角度を変更しろ--という事です。乱暴に思う方もいるかもしれませんが、僕の経験ではなかなか良いという印象です。弦ごとの微妙なバランスが変わらないのでちょっと嬉しいです。
各ブリッジサドルで高さ調整をしたときには、弦の曲がり方やあたり方が従来とは変わっていますから、種々の確認をおこなうには、その部分での弦のなじみを出さなければなりません。それを怠ると時間がたってからこんな筈ではなかったという事にもなりかねません。

(付記)

弦高調整というか、調整をおこなうときのネックの状態として「直線」という事を僕は再三書いています。これがすべての基本と思うからです。
しかし、状況によっては「直線状態での調整」後に、わずかに順ゾリにする事も有ります。複合的な要素が含まれますので「こういう時」と断定的にいう事は出来ないのですが、そういう事も有ると理解して下さい。

ではどれぐらい順ゾリにするかというと、僕の場合はほんの僅かです。
指板面のあり方として、ある一定のRで指板を作ると、指板の中心線と、ナット方面からの放射状の線では状態が異なる事はよく知られています。中心線上を直線状態にすると放射状の線上では僅かに逆ゾリ状態になります。

トラスロッドを僅かに緩めてこの放射状の線が直線状態であるようにすると中心線上では僅かに順ゾリ状態になります。指板のエッジが直線的である場合はこの状態です。

僕がおこなう順ゾリ状態への調整は、基本的に、この二つの状態の中間です。このことから順ゾリ量が微少である事を理解していただけるものと思います。

この調整をおこなった後には総合的にギターを再チェックするのはいうまでもありません。


             (この項 おわり)

上田現氏の葬儀

上田現---現ちゃんの葬儀にいってきました。
電車の中でメッケンに会いましたので、一緒に会場へ。
メッケンは元ちとせさんの作品や現ちゃんのソロ作品で
ベースを弾いています。

会場は凄い人の数で、時間ギリギリについた我々は会場に入れず、
階段で1時間ぐらい待って、やっと焼香を済ませることが出来ました。
ジュディ&マリーのTAKUYA氏や、下山じゅん氏や、伊藤ふみお氏
や、そのほか見知った方が多く参列されていました。
筋肉少女帯の内田氏も見かけました。
普段はわいわい言い合っている彼らとも、ただ目で挨拶して
「やあ」と言うのが精一杯でした。

ファンのかたも多数いらしていて、ご焼香が予定時間内には終わら
ず、出棺が2時間延期されるほどでした。

多くのかたで見送ることが出来て良かったです。
愛された現ちゃんの人柄が偲ばれました。


        2008.03.13   寺田仁

WahWah研究 

WahWah研究 その1

前回でWahWahの持つ問題点の一端を紹介しました。くわしくWahWahを見ていく前に基礎的な考察としてもう少し問題点を探ってみます。

アウト側の問題

前回書いたような事柄はVox848に限ったことではなく、基本的なWah回路を採用して、アウトバッファーを持たない機種すべてに言えることです。Jenや、ダンロップや、RMCの旧型製品などなどです。
Wahの基本回路は簡単でありながら「天才的に!」非常に優れていて、多くのメーカーが細かい工夫を重ねながら採用してきています。(一部例外的な製品を作っているメーカーも有ります)
ですからその長所も短所も同じように持ち合わせています。

極端な低インピーダンスの機器で受けるようなときに、前回書いたような状態になるわけですが、じつは、これが駄目であるとは一概には言えません。このときの独特の音をノウハウの一部として使いこなしているミュージシャンもいます。しかし、一般的には使いにくい状態であることは間違い有りません。
以前はこうしたノウハウを持っているものだけが良い音を出せてそれで良かったわけですが、今はそうも言っていられない状況だと思います。
このことに気がついた海外のいろんなメーカーから組み込み用バッファー基板が発表されていますし、2006年10月以降のRMCの製品にはすべてアウトバッファーが内蔵されています。
アンプを使わずにラインインで音楽が制作されるシーンが増えた今日この頃では、アウトバッファーを搭載する必要性を認識しなければならないと思います。

イン側の問題

Wahの基本回路のインプットインピーダンスは充分に高いというわけでは有りません。ですから従来のようなトゥルーバイパスではないスイッチングでは問題が生じがちです。

non_true_bp

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上の図のように、そのスイッチングではバイパス時にもインプット側がギターにつながりっぱなしですから、パッシブのハイインピーダンスのギター・ピックアップに影響を与えてしまいます。バイパス時に、直につないだときより音が情けなくなる・・・というのがそれです。
これを解消する手だては二つ考えられます。

ひとつはトゥルーバイパスにすることです。下の図のような配線をすることで実現されます。
true_bp

(画像クリックで拡大)


もうひとつはインプットバッファーを採用して、インプットのインピーダンスを上げる工夫をすることです。インプットバッファーの利点はそれだけでは有りませんが、トゥルーバイパスではない場合でも、つながりっぱなしの影響を軽減することが出来ます。
Vox848ではこのインプットバッファーを採用しています。僕の記憶では、最初の頃のVox848はトゥルーバイパスではなかったので、インプットバッファーを装備したのだと思います。トゥルーバイパス用のスイッチとバッファーの電子回路とでは、おそらく、バッファーの方がコスト的に有利だったのではないでしょうか。それだけの理由ではなく、Wahの安定動作のためにもインプットバッファーが有効である・・という判断も有ったのではないかと思いますが。
現在のVox848ではトゥルーバイパスになっていますから、インプットバッファーの意味合いは、若干薄らいでいるようにも思います。

同様のインプットバッファーを装備した機種は現在のクライベイビー系で多数見受けられます。
インプットバッファを採用した場合、もともとの基本回路のイン側で行っていた音作りの効果が弱められることが考えられます。従ってもしヴィンテージサウンドを意識するのであれば、単純にインプットバッファーをつけたのでは目指すサウンドが実現できないことになります。それなりの工夫が必要だと、僕は思ってます。

よく考えられたインプットバッファー部----Wah基本回路----アウトバッファー
というのが僕が考えるWahWahの理想型です。


次回からVox848、たぶん70年頃に買ったJenのCrybaby(ずいぶん前にアウトバッファーを搭載したりLEDをつけたり、トゥルーバイパスにしたりしたModもの)、RMC4、RMCジョーウォルシュ、RMC5の比較テストを紹介します。その後にVoxTonelab内の847と848のシミュレーションWah、MorleyのコンパクトWah、Morleyのちょっと大型のWah、DODのFX17、デジテックのジミヘンエフェクター内のWah、RMC3の旧型と新型の比較などなどを掲載する予定です。

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WahWah研究 その2

WahWah各種の特性をとってみました。
信号経路は実際の使用状態に近づけたかったので次のようにしています。

オシレーター--磁気結合--ダンカンハムバッカー--WahWah--
--Hotcake(off)--Digidesign Line in--protools

アウトバッファーを持っていないWahもあるのでHotcakeのoff状態を挿んでline inにつないでいます。このような経路ですので、測定した特性は、磁気結合やその他諸々の特性を加味したものになっています。(基本的にこのようにして測定していますが、測定内容によっては一部省略している場合もあります。)

(注;測定環境の関係上、数値や測定結果はかなりアバウトです)

**JEN Crybaby
Crybaby外観

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これは多分70年代の初めの頃に購入したものです。あまりに昔なので正確なところを思い出せません。またその内部もいくつかのMODを施していますので、もともとの状態とはかなり異なっていると思います。
Crybaby中

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改造内容は
*トゥルーバイパス
*アウトバッファー
*コイル部分のQを可変
*LEDをつけた
などです。ずいぶん前に施した工作が多いため、正直言ってあまりよく覚えていません。ですからいろいろなパーツが元のままかどうかも定かではありません。
しかし一応Crybabyらしい音はしていると思うので、参考に掲載しておきます。
トランジスタは名前が見えず、よくわかりません。抵抗類はカーボンのソリッド抵抗です。コイルはFASELです。POTは何度か交換していて、現在ついているのは中点端子付きの普通のオーディオ用を工夫して使っています。従って変化カーブが独特な感じになってます。

Jen Crybaby特性

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この画像で3個のピークがわかります。
一番上はペダルをいっぱいに踏み込んだときの特性です。2kHzより高いところにピークがあります。
真ん中はピークが1kHz付近に来るように止めたときの特性です。
一番下はペダルを一番戻したときです。500Hzより低いところにピークがあります。
この一番下と一番上の周波数の間がペダルの可変範囲ということになります。
またそれぞれのピークの形を見るとピーク帯域の幅・急峻さがわかります。
いずれもこの1機種だけではなんとも言えませんが、他機種と比較していくことによってそれぞれの特徴がわかってくると思います。
音色ですが、入力レベルを上げていくと、わりと早めに歪み始めます。倍音が多く、中間位置で「コーコー」いう独特の感じは僕の好みです。奏法や各種機材のセッティングにもよりますが、どちらかと言うと派手な音のWahの仲間だと思います。改造が影響していると思われますので、もともとのものがこういう音色であるかどうかは、まったくわかりません。


**VOX V848

定番であるVox V847の上位機種です。

Vox v848外観

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Vox v848 中

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これも改造してますね。LEDをつけるためにいわゆるミレニアムバイパスをテストしたんだと思います。それ以外は元のままです。
トランジスタはMPS-A13や18が使われています。抵抗は2個だけがカーボンで、それ以外は金属皮膜抵抗です。コイルはFASELです。
前に書きましたようにトゥルーバイパスで、インプットバッファーを搭載しています。
Vox v848 特性

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特性ですが、変化範囲はだいたいCrybabyと同じような感じです。
ピークを動かして特性を見てみると、全体的にどのピークのときもピークの少し上の帯域がたいらになっていて、ピークの上の成分が多めにでているのがわかります。音色が明るく感じるのはこの部分の影響でしょうか。さらにインプットバッファーの働きで高域が伸びている筈ですから、このような印象になるのはうなずけます。
ピークのあり方はかなり狭い印象です。基本的な明るさと相まって、ペダルを踏み込んだときに、パッと上に抜ける感じがするのはこの特性のなせる技かもしれません。
帯域の狭さと倍音の多さがペダル途中でのサウンドの「裏返り」具合を強調して、カラフルな綺麗な印象を与えます。
ちょっと考えると乱暴になりがちな設定だと思うのですが、実際の音はそうならなくて、むしろ美しい印象を持ってしまいます。徹底してローノイズであることや、各所パーツや回路構成による透明さがその要因になっているように思います。
結論として、派手さと上品さを兼ね備えた高級な機種だと思います。847が手元にないので比較できないのですが、僕の記憶では847はピークがなだらかな設定だったと思います。コイルに関係しているQダンプ抵抗の値が異なっていると思います。
848のピークの急峻さはもっとも鋭いもののうちのひとつです。

            つづく
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WahWah研究 その3

RMCの新型の3機種を掲載します。
RMC外観

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この新型というのは2006年の10月以降の仕様で、旧型とはその回路構成もサウンドも大きく異なっています。最も大きな違いはアウトバッファーを搭載していることです。RMCでは詳細は明らかにしてくれませんが、ファズ・フレンドリー・テクノロジーと記載されていますので、アウトバッファーであることはおそらく間違いありません。実際にローインピーダンスの受けにつないでも問題なく動作してくれます。
新シリーズ共通の仕様を列挙しておきます。以前に改良されたものも含んでます。

*ファズ・フレンドリー・テクノロジー
*トゥルーバイパス
*電源アダプタージャック
*easily adjustable rocker tension
*マスターボリューム
などです。

easily adjustable rocker tensionというのは、ペダルの固さを簡単に調節できる機能で、ペダル後部から6角レンチで回して調節します。
マスターボリュームは裏蓋を開けて基板上にある四角い半固定ボリュームで調整します。ファクトリーセットでは12時〜1時くらいにセットされています。レベルはこれ以上多くは上がりません。基本設定が大きめですから、むしろレベルを下げてスルーのときとの整合性をとるのに役立つと思います。

(注;測定環境の関係上、数値や測定結果はかなりアバウトです)


**RMC-4

ピクチャー・ワウという名称を持った機種で、裏蓋にGeoffreyTeeseさんの写真が印刷されています。
パーツ類は一新されました。抵抗はすべて金属皮膜抵抗です。トランジスタはBC109、オペアンプはLF351Nが使われています。コイルはオリジナルで詳細は不明です。以前のものとは外形が異なっていて金属ケースに収められています。配線は以前はシングルコアでポイント・トゥ・ポイントだったんですが、新シリーズではヨリ線によるコネクター式に変更されています。POTは改良が重ねられて現在は#5になっているらしいです。これも詳細不明です。

RMCの過去の製品はどちらかというと攻撃的なブティック・ワウの典型みたいな印象がありましたが、新シリーズで大きく変わりました。まさに「モダン・ヴィンテージ」という感じがします。この名前は僕が勝手につけたものですが・・・
RMCの発表によると「ヴィンテージのイタリアン・ワウを目指した」となっていて、本当にその通りだと思います。

RMC-4 特性

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特性を見てみると、(僕のものはコイルのQを狭めていますので若干違いがありますが)Crybabyに傾向がよく似ています。
グラフからは倍音が多めなようにも思えます。しかし、信号の入力レベルを上げてみても歪みや倍音はあまり増えません。

(動的要素の強いワウを測定することの難しさがあります。静的な特性を見るだけではそのワウの特徴をつかみきれません。信号レベルを変えたり、ペダルを動かしてみたり、信号をスイープしてみたりして動きの間にどうなるかを観察しています。すべての情報をお知らせすることが出来ず、残念です。)

音色は想像以上に上品でピュアなものです。倍音が非常に多い場合にはペダルをいっぱいに踏み込むとヒステリックになる機種もありますが、このRMC-4はそうではありません。強いピッキングでも「ギャー・ジャー」っというふうにはつぶれずに、素直にでてきます。
遠い記憶でしかありませんがヴィンテージワウはこういう感じだったなあと思い出しています。海外のワウ関連の書き込みを見ても「ヴィンテージワウの音色が欲しければRMC-4を使え」という意見がいくつも見られますから、そのかた達も同じような印象を持たれたのだと思います。
ピークの帯域幅は848よりも若干広めに感じます。ペダルの変化範囲は一般的なワウと同等です。


**RMC-JW

ジョー・ウォルシュのモデルです。ボディーにペインティングがなされていることでこのモデルであることが一目で分かります。
RMC JW 特性

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基本的にはRMC-4とほとんど同一ですが、一部に常数の違いが有ります。僅かながらゲインと低域を意識したものになっているようです。ピークの帯域幅は少し広めです。印象として太めのサウンドに聞こえます。

**RMC-5

ウィザード・ワウと呼ばれるモデルです。ボディーは赤く塗られています。
上記2機種とは回路に変更があって常数がかなり違いますので印象が異なります。
多少ワイルドでしょうか。

RMC-5 特性

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ペダルの範囲が低い方にシフトされています。ピークの帯域は広めで、この3機種の中では最も特徴的になっています。ひと味違っていて僕は結構好きです。
しかし全体としてみると新シリーズの路線に則ったものであって、RMC4でつくった路線を踏み外していないと思います。

RMCの音をいくらかでもわかっていただけるかと思って次のような測定をしてみました。
ペダルのピークが1kHzに来るようにしてそこで固定しました。それで入力に1kHz100mVを入れてみてスペクトラムがどうなるのか・・・です。あくまで静的な測定ですのでほんの参考程度ですが。
1kHz 100mV

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これがCrybabyとV848です。
倍音がかなり綺麗にでているのがわかります。歪んでいると言うことも出来ます。

では同じ条件でRMCの3機種ではどうかというと100mV入力では基本波の1kHz以外はほとんど現れてきません。それではつまらないので、入力を150mVに上げてみたのがこの図です。
1kHz150mV

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つまりこの測り方では歪みは少ないように見えるということです。

測定条件を変えて何度もやってみたのですが傾向はこの図と変わりません。
僕は根本的な間違いをしているのでしょうか。

                 つづく

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WahWah研究 その4

(注;測定環境の関係上、数値や測定結果はかなりアバウトです)


1kHzで行った測定と同じようにして2kHz付近でもやってみました。
最も踏み込んだ位置付近でピークに合わせてオシレーターの周波数を設定しています。この測定ではすべて100mVの入力で見ています。
about_2kFz

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こうしてみても傾向は同じ様です。
(手元にある旧型RMC3は結構歪みます。新型のRMC3は新型RMC4に似ています。詳しくは後日)

100mV入力でこうなりますからRMCは1kHzのときよりは歪みます。

この傾向は新型のRMC製品に共通のものだと思われます。
JWは僅かながら歪みが多いようです。

ここにはない機種で・・・旧型RMC1はシングルコイル用に特化していてハムバッキングでは見事に歪んだものです。
手元に新型RMC1がないのでわからないのですが、新型でそれからどのように変わったのか興味深いところです。
あまり歪まないRMC2も発表していましたからRMCでは歪みの多さを気にしていたのかもしれません。


                   つづく
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WahWah研究 その6

**Morley CWA

Morleyというのはとても面白い会社でユニークな製品を開発してくれています。ここに紹介するコンパクトワウCWAもそのひとつです。

Morley_cwa_外観

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Morley_cwa_内部

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コイルを使わずにワウワウ効果を得ている珍しい機種です。
POTは他機種のような回転式は使わずにスライドボリュームをナイロンのコードで引っ張って動かすしくみになっています。
大変ユニークで面白いのですが、若干改良する方が良いなと思うところも有って、僕のものは手が加えられています。今回のテストの間にも他機種と並べて使ってみて、テスト途中でも改変いたしました。従って、最初に載せた写真と現在とでは違うものになっています。(後述)


Morley_cwa_sw

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Wahのオン-オフ切り替えスイッチはヒール部に有って、ペダルを貫通したスイッチ押し用のパーツを踏むことによって作動させることが出来ます。ペダルでナイロンコードを引っ張る都合上、ケースの真ん中部分を占有され、普通の機種でスイッチがある部分が使用できないためではないかと想像されます。それにしても面白い発想です。
オペアンプはTL071で、抵抗類はカーボンが使われています。


Morley_cwa_特性

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特性はこのようなものです。
なんともブロードでピークが何処にあるのかといった感じですが、じつは盛大に歪んでいます。1kHz100mVを入力したときのスペクトラムはこのようになってます。

Morley_cwa_1kHz

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試みに入力レベルをぐんと下げてみると、本来のこの機種の周波数特性が見えてきます。(2kz付近で見ています)

Morley_cwa_hi

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メーカー側で意図しているかどうかわかりませんが、クランチ的なブーストをしている感じです。クランチ的に強力にブーストされた出力を抵抗で分圧して(出力を下げて)ジャックにつないでいます。
従って音は派手です。全体の作りとしてハイ上がりになるようになってますから、相当に特徴的なうるささです。
僕はいろいろと手を加えていますが、けして嫌いじゃありません。何か違う音色のワウとしてすごく魅力を感じます。オールマイティーではありませんが、他では得られない音です。
言い方を変えれば、この機種は「ちょっと過激なバンドパスEQを持ったクランチ・ドライブ」なのかも知れません。

**改変したところ

(1)まずアウトのジャックのホットとアース間に27kオームという謎の抵抗がつながりっぱなしです。バイパス時にもつながっていますから、ギターの音は「ボヨ〜ん」とします。トゥルーバイパスの音とは似ても似つかない音です。この抵抗の意味はなんでしょうか。僕にはわかりません。ですから、バイパス時にはこの抵抗が入らないように配線を変えました。一番簡単なのはニッパーで切り取ってしまうことですが、記念にとってあります。

(2)アウトに関連して、抵抗で分圧して下げてあることは既に言いました。であるならば積極的に出力レベルをコントロールできる方が面白いのではないか・・・と考えました。
分圧している直列の抵抗に並列に半固定ボリュームをつけて、レベルコントロールをすることにしました。(もとより上げる方向です)
普通に考えればこのアウト部分を普通のボリュームに置き換えれば最も素直です。しかしここでも元の回路を出来るだけ保存しておきたくて、このようにいたしました。なにかの記念にということです。

mc_out

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(3)もともとのペダルはスライドボリュームのすべてを使えるようにするために、非常に長いストロークになっています。角度で言うと他のワウワウの2倍ぐらいの角度変化があるような印象でした。他の機種と並べて使ってみると、このCWAだけが違和感があるのです。
というわけでペダルのストロークを半分ぐらいにして、それで音の変化範囲は元通りであるように工夫しました。元の回路ではAカーブの50kオームと68kオームの抵抗を組み合わせています。合成抵抗は0〜29kオームぐらいということになります。そこで半分のストロークでそれを実現するために68kは使わないことにしました。この状態でスライドボリュームの変化範囲を測ってみると、中間地点では半分を使用する側の抵抗が小さいことがわかりました。Aカーブのボリュームだからです。それで、スライドボリュームをいったん取り外して上下を逆に取り付けました。これで半分を使う側の抵抗は0〜30kオームぐらいの間で変化するようになりました。
この場合も68kは切り取ってしまえば良いのですが、片側の配線だけはずして、記念にとってあります

mc_vol_2


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元のペダルは一番踏み込んだときにかなり前のめりになる感じでしたから、ペダルのつま先側の下にストッパーをつけて良さそうな角度を探しました。
ボリュームの変化カーブが心配だったんですが、試してみると意外なことに使い易くて、改造は成功でした。

mc_pedal調整

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(測定環境の関係上、数値や測定結果はかなりアバウトです)

                  つづく
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WahWah研究 その7

**Morley BWA

つづいてMorleyの大型のワウBWAです。

bwa_o

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bwa_i

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これはある海外のアーティストが使っているのを聞いてその音の美しさに惹かれて探し求めたものです。最大の特徴はペダルコントロールに光を利用していることです。受ける光の量によって抵抗が変化する素子を使い、それを普通はPOTを使うところに入れています。よくあるPOTのガリから100%逃れられるのでなかなか良いアイディアです。

光が当たる状態
bwa_s_1

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光を遮った状態
bwa_s_2

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回路的にはCWA同様にコイルを使わないものです。しかし回路のしくみがCWAとは異なっているようで、これが同じメーカーの同種類のエフェクターなのかと目を丸くするほど性格が違います。
CWAの所で書き忘れましたが、双方ともLEDインジケーターを装備していて、トゥルーバイパスではありません。BWAの切り替えスイッチはヒール部に取り付けられていて、ペダルの動きとは関係なく、ペダル位置をどこかに固定したままのオン--オフが出来るようになってます。

使用オペアンプは741です。抵抗はカーボン。基板で面白いのはプリント面を表にして、プリント面側にパーツが取り付けられていることで、回路の様子が一目瞭然です。
電源電圧は9V電池2個を直列にした18Vです。


bwa_

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特性はこのようなものです。とても綺麗だと思います。低音のピークをさらによく知りたくて条件を変えて特性を取り直してみました。
それが次の図です。

ml_new_lo

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低音のピークが相当下にあることがわかります。高音のピークもかなり高いですから、ペダルの可変範囲が本当に広く感じられます。ギター用として考えると、ここまで広くなくてもよいのでは・・と思いますが、ひょっとしたらキーボード用という考え方もあるのかもしれません。

音色はクリーンの一言につきます。普通の使用状態ではほとんど歪みません。

ml_new_1khz

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1kHz100mV入力でペダルのピークを合わせたときのスペクトラムがこれです。基本波しかでていません。何かの間違いかと思って何度も条件を変えてやってみたりしましたがこの状態は変わりません。同じ条件で他機種をつなぐと今まで見てきたような特性がでますから、間違ってはいないと思います。入力レベルをかなり上げても歪みません。
これは本当にこういう機種なんだと思います。最も歪まないワウのひとつであるといえるかもしれません。
電源電圧の高さも歪まない一因でしょうか。

(測定環境の関係上、数値や測定結果はかなりアバウトです)


        つづく
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WahWah研究 その8

**Tonelab SE

VoxのTonelab SEにはペダルが2本ついていて簡単にワウワウを使うことが出来ます。シミュレーションしているのはVox-V848と847です。
tonelab_o_

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まず848の特性から
tonelab_848

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ピークの帯域は急峻で狭めの設定に見えます。おそらく848の回路常数を正確に再現するとこうなるのでしょう。実際のアナログ848はいろいろな不確定要素が考えられますから、このままの特性にはならないのだと思います。
ペダルの可変範囲は広めに設定してあるようです。ペダルの可変範囲を設定するパラメーターがありますので、好きな感じにすることが可能です。測定時には最も広くなるように設定しています。

つぎに847の特性です。
tonelab_847

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ピークの帯域幅は848よりは広くとってあります。むしろこちらの方が実際のアナログ848に近いように感じます。
ペダルの可変範囲は848の場合と同様に広いです。

音の感じはさすがに同じVoxだけあって非常によく出来ています。アナログ848と比較するとTonelabのほうが若干すっきり感があります。そのぶんペダルへの反応が鋭くなっている気がします。
1kHzを入れたときのスペクトラムはなかなか良い感じです。
tonelab_848_1k

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本当にうまく作るものだと感心してしまいます。
Voxでのワウワウ研究はだいぶ進んでいるようです。今後も大いに期待できると思います。

**Genesis3

シミュレーション・ワウの代表的なものとしてもうひとつ、ジョンソンのGenesis3をとりあげておきます。
genesis3_o_

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この機種はクライベイビータイプと、ブティックタイプ、フルレンジタイプの3種類の音色を搭載しています。
ワウを使うには専用のコントローラーかミディペダルが必要になります。

*クライベイビータイプ
gene_cry

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*ブティックタイプ
gene_boti

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*フルレンジタイプ
gene_full

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こうしてみるとブティックタイプが僕のクライベイビーには最もよく似ていると思います。しかし、僕のクライベイビーはすでにいわゆるブティック・ワウに近い改変がなされていますので、あまり参考にはならないかもしれません。(そのせいで非常に似た特性が得られているのかも・・・・)

フルレンジのペダル可変範囲の広さには驚きます。使いこなすのが難しそうです。
(もちろんこの3タイプともペダル可変範囲の設定が出来ます)
ピークの帯域が非常に狭いですから、ピーク内と外との落差が非常に大きいです。
もう少し歪めば倍音成分が出力されてつながりがよくなるんでしょうけど、この機種のワウ部分ではあまり歪みません。
gene_cry_1k_100

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歪まない分だけクリーンなペダルの動きに敏感な感じはよくでています。

こういったシミュレーションモデラーの場合には(Tonelabも同様に)一部分だけを独立させて使うことはまれだと思われますので、もっと総合的な音作りで判断すべきものと思います。
と言いつつ、Genesis3のブティックワウの単独使用が結構好きだったりします。僕のテスト用のアクティブピックアップのギターと相性が良いです。


(測定環境の関係上、数値や測定結果はかなりアバウトです)


               つづく
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WahWah研究 その9

**new RMC3とold RMC3
new_old_rmc3_

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新型のRMC3と旧型のRMC3を比較してみましょう。
新型は他のRMC4ピクチャーワウ等と同じコンセプトで作られています。もう一度新シリーズ共通の仕様を挙げておきます。

*ファズ・フレンドリー・テクノロジー
*トゥルーバイパス
*電源アダプタージャック
*easily adjustable rocker tension
*マスターボリューム
などなど。

やはり大きく異なるのはアウトバッファーを装備したことです。

参考にまず旧型のRMC3の特性をのせておきます。
rmc3_jin

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ピークの少し上にもうひとつピークらしきものがでていますが、実はかなり歪んでいて基本波の上の周波数がこれぐらい出てしまうのです。
1kHz100mVを入れたときはこんな感じです。

jin_1k

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RMC3は各部の設定を自由に出来ますので、この特性はあくまで僕好みに設定した旧型の場合ということです。
旧型RMC3はアウトバッファーがありませんので、僕は改造しています。

rmc3_mod

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(1)トゥルーバイパスでLEDインジケーターをつけたいため9pのスイッチを使用
(2)アウトバッファーを搭載




新型の特性を見てみます。とは言っても先ほど言ったように、この機種は数多くのパラメーターをユーザー好みに設定できます。ここに載せた特性はファクトリー設定の場合です。
new_fact

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低域のピークが少し高めです。ピークの帯域の幅は少し広いようです。
このときの設定は
Lo max
mid max
Q 11:00
vol 12:00
sweep 4.5.6 on
fine tune 9:00/3:00
です。
ここで少しコントロール類を説明しておきます。

rmc3_cont

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基板の一番上にあるのがLoのコントロールです。しかし、このポットはLoだけを設定するものではありません。基本のWahのゲインも変えてしまいます。ですから低域のみならず、Wahの全体に大きく関わります。

二番目はミッドのコントロールです。これを上げておくと中音域のピークが特徴的になります。

三番目はピークのQコントロール、つまりピークの急峻さを設定します。僕の好みでは最も狭いぐらいがちょうど良く感じます。最も狭く設定しても848よりは少し広いかもしれません。

四番目はボリュームコントロールということになっています。でもこれを下げるとペダルの可変範囲も同時に変わってしまいます。maxの時が最も広くて、12時まで下げてしまうと先ほどの特性のように低域がかなり上にきてしまいます。僕としてはこのボリュームはまず最大にしておいて、もしディップスイッチの具合で低域のピークが下がりすぎたときには少し絞り気味にして、ペダル幅を調整する・・・というような使い方の方がよいのではないかと思っています。では音量はどうするかと言うと、基板の右の上にVR21というポットがあります。これがマスターボリュームですので、ここで調整するようにします。
Loを欲しくてLoポットをあげるとゲインが上がり、同時に上記の理由でvolポットも最大にするとかなり音量が上がりますので、結果としてVR21を絞り気味で使うことになるでしょう。

Dipスイッチはちょっと難しいのですが、次のような事柄を頭に入れておいて下さい。
このようなスイッチで数値を設定する際の考え方のひとつです。RMC3の数値がこの説明の数値と同一ではないのですが、基本的な概念として知っておくと、設定の際に参考になると思います。

まず、ファインチューニングは、たぶん、同じものが2個ついてます。これは9時位置で最大、3時位置で最小になるトリマーです。中間は上側でも下側でも同じです。つまり6時と12時は同じです。9時位置で0.5と思って下さい。12時で0.25 3時でゼロです。中間は連続可変です。
2個のトリマーは足し算です。1個が9時でもう1個が12時なら 足して 0.75です。
この数値とDipスイッチの値を足してこの部分の常数が決まります。

それでDipスイッチですが 最小単位が1です。つまりDipスイッチで設定できる最小単位の1以下を設定するのがファインチューニングです。
Dipスイッチの値は次のように考えます。
   #1      1
   #2      2
   #3      4
   #4      8
   #5      16
   #6      32
   #7      64
   #8      128
   #9      256

これも足し算です。例えばファクトリー設定の#4+#5+#6は 8+16+32=56です。それにファインチューニングの3時+9時=0.5を足すと56.5ということになります。
もし60.25という数値にしたければ #3+#4+#5+#6+12時+3時で4+8+16+32+0.25=60.25となります。
これで設定できる範囲は 0〜〜512です。
( 全部オフで3時+3時の0+0=0から 全部オンで#1〜#9を足してさらに9時+9時の1を足して511+1=512 )
この数字が小さい場合はペダル範囲は高域側になります。大きくなるにつれて低音域にシフトしていきます。

実際にはRMC3ではこの通りにはなりません。数値が飛ぶ間隔を狭めている部分があるからです。しかし考え方の基本はこういうことだと思っているとスイッチの設定が容易に行えます。
設定の方法は次のようにするとわかり易いです。
二個のトリマーは容量ゼロつまり3時位置にしておきます。
それで、たとえば6だけをオンにすると上に行き過ぎて、7だけをオンにすると下に行き過ぎてしまい、この中間にしたいときは、まずスイッチの上の側を--この例では6ですが--オンにします。次にこれに1〜5のスイッチを足していきます。スイッチ5を足すと下に行き過ぎ、4だとちょっと足りない--そのときはそのちょっと足りない方を選びます。これでスイッチの6と4がオンになりました。さらに1〜3のスイッチを足していきます。ここでも下に行き過ぎるものよりちょっと足りないものを選びます。
このようにしてスイッチ1までが決まります。この段階で音はちょうど良いか少しまだ下がり足りないか・・です。そしてその下がり足りない量は1以下の単位になっています。
1以下の単位を調整するのがトリマーですから、二個のトリマーを回して最適なところを探します。
調整が出来上がったときの数値はオンにしたスイッチに対応した数字を足し合わせたものに、二個のトリマーの位置で得られる1以下の値を足し合わせたものになります。

ここでもう一度注意なんですが、RMC3ではスイッチに対応する数値が紹介した数値通りではありません。間隔が変えてあるのです。紹介した数値では例えばスイッチ1〜6をすべて足したものはスイッチ7から1ひいたものと等しくなりますが、RMC3ではそうはなりません。しかし、このように考え、このような手順で設定するのが一番確実で早道ですので、是非お試しいただきたいと思います。
またキャパシタはもともと非常に誤差が大きいものです。ですから2台のRMC3のディップスイッチを同じにしたからといって同じ音になるとは限りません。むしろ違っていて当然と言えます。1台1台自分の耳を信じて設定していくのが最もよいです。

調整の参考に各スイッチをオンにしたときのペダル範囲を見て下さい。
ペダルを戻したときの低域のピークと、もっとも踏み込んだときの高域のピーク位置を示しています。ピーク位置だけを見るものですから、中間部の特性等は無視して下さい。この特性をとったときのvolポットはmaxです。
スイッチオンがとびとびになってますが、中間のスイッチの時の状態は想像してみて下さい。
dip_sw

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ファクトリー設定のときの1kHzはこんな感じです。歪みは少なめであるといえます。
new_1k

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2kHzでみると1kHzの時よりは歪んでいます。
new_2k

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ちなみに旧型で僕が行っているような設定に近づけて新型のvolポットを最大にしたときの1kHzはこんな感じです。
vol_up_1k

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どうやら僕は結構歪んでいるのが好きみたいです。 

RMC3は基本のWah回路で設定できる常数のほとんど全部を可変できるようになっています。ここまでやるのは凄いことです。これ以上やるとしたら、入力部の抵抗を可変にするとか、数種類のコイルを差し替えて使えるようにするとか、トランジスタを簡単に交換できるようにするとか、Wahペダルのポットを簡単に交換できるようにするとか・・・そういうことになってしまいます。

RMCで使われているペダル用のポットは他メーカー製品で使われている一般的なポットとは抵抗値が違っています。その効果で低域の充実が図られているようです。


(測定環境の関係上、数値や測定結果はかなりアバウトです)

             つづく


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WahWah研究 その10

**DOD FX-17

これまた変わったワウワウです。
DODの多目的ペダル(ミディのヴォルテージコントロール、ヴォリュームペダル、ワウワウ)のFX-17です。

fx17_o_

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特徴はペダルコントロールにキャパシティー(静電容量)の変化を利用していることです。基板面と、それに向かい合った金属板とが薄いプラスチックの膜でしきられています。金属板はペダルで動くようになっていて、基板面と向かい合う面積が変わるしくみです。そこでの静電容量変化を利用して、ピーク周波数を動かすというわけです。DODのパンフレットによれば、抵抗を使うとガリの心配があるし、光を利用したものだとやがて寿命が来てしまうので、その心配が無いものを使うことにした・・・とのことです。 どういう方法であれ、ピークの周波数が希望通り動いてくれれば良いわけです。
動作は大変スムーズです。切り替えスイッチはヒール部に有って軽く動作するものだったんですが、ちょっと誤解され易いので、つま先側にマイクロスイッチで新たに作りました。不格好ですが実用的になりました。

特性はこんな感じです。
fx17

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音は比較的クリーンな、それでいて独特のものです。なんと言って良いか・・よくあるオートワウの音色を足でコントロールしている感じ・・
難しいですね。
歪みは少ないです。
fx17_1k

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ですからペダルの位置に応じた音が正直に出てくる感じ・・・
なんとも言いようがありません。
音の感じを表現できなくて申し訳ないのですが、実際のレコーディングで使用したことがありますので実力は充分だと思います。あるギタリストが気に入ってくれて、一枚のアルバムのワウパートはすべてこれだったように記憶しています

ペダルの変化範囲は広めなんですが、実際に踏んでみるとこれ以上のペダル幅に感じます。
ケースの前面に小さな穴が二つあいていて、細いマイナスドライバーで特性の調整が可能です。左側はペダルを一番踏み込んだときの周波数を変更します。右側はペダルの高音側と低音側のバランスをとります。
いずれも大変に微妙でほんの僅かずつ動かす必要があります。うっかり回すと突然とんでもない音になってビックリします。


**DigiTech Jimi Hendrix ExperienceのWahWah

ジミヘンのサウンドに特化した複合エフェクターの中のWahWahを試してみました。何個か入っているワウサウンドのうちのプリセット6のトウ側のWahWahです。

jimi_o_

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この機種はジミヘンの特定の曲を演奏するために作られたものですから、そのサウンドは複雑です。6のトウ側のワウが比較的わかり易かったのでこれを選びました。
ペダルの変化範囲は狭めです。

jimi_hi_lo

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他のシミュレーションとの絡みもありますのでこういうものになったのだと思われます。歪み方はそれほどでもありません。

jimi_750

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ほかにファズフェイスと組み合わせたWahWahも搭載されてますから、歪みが必要な場合それを使ってみるのも良いかと思われます。
話は違いますが、これに搭載されているファズフェイスのシミュレーションは秀逸です。こういう音のファズフェイスの実物が欲しくなってしまいます。

マニアックな単目的に近いエフェクターを作るデジテックの姿勢が好きです。ちなみにこのプリセットは「Voodoo Child(Slight Return)」のイントロの音で、ブラウンフェイスのフェンダーBassman、EMTプレートリバーブ、スラップバックディレイ、Vox ClydeMcCoy Wahの音をシミュレーションしているそうです。
当時の音を再現するために同じスタジオ、同じエンジニアで昔のマルチテープを解析したそうです。すごいものですね。

(測定環境の関係上、数値や測定結果はかなりアバウトです)

         つづく
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WahWah研究 その11

**RMC6 Wheels Of Fire (WOF)

RMC6 Wheels Of Fireです。
つい先日このページ用に急遽送られてきました。ありがたいことです。
rmc6_wof_

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このモデルでも新シリーズの仕様はすべて採用されています。
最大の特徴はRMC3では裏蓋を開けて細いドライバーで調整しなければならなかったコントロールのいくつかをケース側面のツマミとして使えるようにしたことです。
側面に出されたコントロールはLo、Vol、Qです。

機能や操作上の注意はRMC3のところで述べたことがそのまま当てはまります。
Loは低域のコントロールです。しかし、それと同時にワウのゲインもコントロールします。これを時計方向に回すにつれてローエンドがでてきますが、ゲインもまた上がります。もし上げすぎると、パワーのあるギターを使用したときに、サウンドが濁りすぎるかもしれません。僕はいっぱいに上げたときの荒れた感じは好きですけどね。クリヤーなコードカッティングなどのときには少し絞り気味の方が好結果を生みそうです。このツマミはそれ以外にもQの感じやペダルの可変範囲にも若干影響していることがわかりました。ワウの全体像を決める最も大切なツマミであるといえます。
Volは一応エフェクト音のボリュームを決めるものです。これも前に書いた通り、ボリューム変化とともに、ペダル範囲にも大きな影響を与えます。僕はむしろペダルの可変範囲のコントロールに主眼をおいた方が良いと思ってます。音量の調節は後述のVR21で出来るからです。
最後はQコントロールです。これはピークの急峻さを決めるものですが、書いてきました通り、他のパラメーターもQの感じ方に影響を与えています。ですから、他のパラメーターを決めてから、最終的なワウのキャラクター付けとしてQコントロールを設定するのが良いと思います。

裏蓋を開けた中にあるVR21が他の機種と同じようにマスターボリュームです。LoやVolを上げ気味で使うとき、エフェクターの出力はかなり大きくなります。その時はこのVR21でバイパス音とエフェクト音とのバランスをとるようにします。

wof_tokusei_

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さて特性です。これはすべてのコントロールをフルに上げた状態で測定しています。ペダルの上側は2000Hzと標準的ですが、下側は300Hz付近になっています。またこの状態ではピークの帯域がそれほど急峻ではないことがみてとれます。

1kHzと2kHz付近でピークに合わせて信号を入れたときの様子です。各コントロールはmax状態です。
wof_1k_2k_

(画像クリックで拡大)

すべてをフルアップしていると新シリーズには珍しく、歪みが多い感じがします。RMC3でもこの状態を作り出せますが裏蓋を開けて細いドライバーで設定しなければなりません。RMC6 Wheels Of Fireでは外に出たツマミを回すことによって簡単に操作できるので便利です。


サウンドは他ではあまり聞けない独特のものです。量感のあるローが出るのですがミッドレンジが押さえ気味であるため、いわゆるウーマントーン的なモーッとした独特のサウンドです。ペダルを踏み込むと一転して倍音の多い「ファットな」高音がでますのでその落差が大きいです。これには中音域に於けるQの感じ方も大いに関係していると思います。

設定例として、試みにLoとVolをそれぞれ12時くらいにセットしたときの様子を見て下さい。このグラフは、高音域のピークと低音域のピークだけに着目して、それ以外は無視して下さい。
wof_12ji_

(画像クリックで拡大)

これをみるとそれぞれのコントロールによってその全体が影響を受けていることがわかります。
Volが12時のときには低域のピークが上方に来ています。同時に高域のピークが急峻になっています。高域側のピークのさらに上にも倍音によるピークが現れています。もし最も劇的なペダル操作を望まれるなら(ペダル範囲との兼ね合いがありますが)Volを12時〜1時近辺にセットするのがよいのではないでしょうか。
Loのコントロールは上げれば上げるほどレンジがワイドになり派手になるので理解し易いのですが、Volはちょっと違っていて、なにかスイートスポットといえるベストな設定があるようなのです。

それとコントロールによっては操作時にノイズが出るものがあります。これは操作している手法がノイズが出やすいものになっているからです。アンプから音を出しながら操作することが多いと思いますので、大音量のときには少し注意する方がベターです。RMC3に於いてもこれは同様です。

(測定環境の関係上、数値や測定結果はかなりアバウトです)

            つづく
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WahWah研究 その12

**Tips

WahWahに関するTipsがいくつかあります。

(1)スイッチの高さ調整
立って弾いているときには軽快に切り替えられるスイッチでも座って弾くとなかなか切り替えられない場合があります。立っているときには体重をかけられるので切り替えが楽なものでも、座っているときにはほとんど足首の力だけになることが多いので切り替え辛いのです。スイッチの高さ自体を調整すると良くなりますが、頻繁にそれを行うのは面倒です。
このようなときにはペダルの下のスイッチの頭に小さくきったビニールテープを貼ると具合が良くなります。
sw_top

(画像クリックで拡大)


どれくらいの力で切り替わるか、必ず足で踏んで試しながら、2枚3枚と重ねてはっていきます。ビニールテープの厚さによりますが、大体2〜3枚でちょうどよくなります。
不要になれば剥がして裏蓋等に貼っておけば必要になった時にすぐにまた使うことが出来ます。
座った状態で具合が良いものは、立って弾いたときにペダリングの勢いで誤って切り替えてしまうことがあります。両方でちょうど良い設定が見つかれば良いのですが、ちょっと難しいです。

(2)スイッチで無音部分が・・・
切り替えようと思ってペダルを踏み込んだときに、うまく切り替わらなくて、無音になってしまうことがあります。また、切り替え時でなくても、いっぱいに踏み込んだときに無音になるということもあります。切り替わったとしても切り替え時に一瞬の無音状態が出来て音が途切れることもあります。
スイッチの内部はシーソーのような形をしています。スイッチを押す度にシーソーの板が反対側に傾くという感じです。
1回路(3P)のスイッチではこれが比較的軽く動作します。ところが2回路(6P)、3回路(9P)となるにつれて動かす部分が大きくなっていき、動作がスムーズでなくなる傾向があります。
上記の無音状態というのはシーソーが傾ききらずに中途半端な場所で止まってしまったり、踏み込み具合で接点が浮いた状態になったりして起こります。
この症状で厄介なのはスイッチ自体を指で押したりしてテストするとまったく正常に動作することです。ここにワウ特有の問題があります。ペダルのトウ側にはゴムクッションがあり、ペダルの裏側のスイッチを押す部分にはフェルトが貼ってあるものが多いです。これらの弾性があだになってスイッチが微妙な位置---半押し状態になりがちなのです。
この症状は軽く動作させたくてスイッチ自体の高さを上げすぎるときに多く見られるように思います。上記(1)の調整でテープを貼りすぎるとこの状況になることもあります。
解決策としては、切り替えるときにちょっと力がいるかな〜〜そうでもないかなあ〜〜というぐらいの設定にすることです。スイッチ自体を僅かに下げ気味にして、スイッチの頭に貼るビニールテープの枚数を調整すると、具合の良い状態を見つけることが出来ます。また切り替え時には節度を持ってはっきりと踏み込むという癖を付けることも大切です。
それと、僕の経験では、この現象はゴムクッションとフェルトが柔らかすぎるときに多く起こるような気がしています。所有するWahWahの中にはそういうものがありましたので、ちょっと工夫しています。フェルトをはがしてかわりに同じ厚さのもう少し固めのものを貼ってあります。
その機種のフェルトはたまたま1円硬貨2枚ぶんの厚さだったので、1円硬貨を2枚重ねてペダルのフェルトが有った場所に貼りました。出費が2円で出来るスペーサーというわけです。
硬貨を改変すると罪に問われますが、接着剤で貼っただけなのでそれをはがせばまた使えるようになりますので、何の問題も無いと思います。

(3)各所の常数を変更する
ワウのキャラクター・音質にはコイル(インダクター)が大きく関わっています。ですから現状のワウの音を根本的に変えようとする場合、コイル(インダクター)を他のものに変更するというのが最も効果的であると思います。
しかし、基本的なキャラクター・音質は気に入っていて、さらに自分に合ったようにある程度チューンナップしたいということであれば、各所の常数を変更して好みに合わせる・・ということが考えられます。これには電子回路の知識が必要になりますので誰にでもというわけにはいきませんが、一応掲載しておきます。

wah_kihon

(画像クリックで拡大)

これが一般的なワウの基本回路です。機種によって若干のアレンジはありますが、大同小異だと思って下さい。(インプットバッファーを持った機種ではこの基本回路の前にバッファーがあります)

R1  入力部にある抵抗です。68k〜100kオームぐらいの機種が多いです。これをもっと小さな値の抵抗に変えるとゲインが上がります。47kオームとか33kオームぐらいとかを使う例が知られています。
もしトゥルーバイパスでない場合にはあまり小さくしてしまうとバイパス音に大きく影響してしまいますので、出来ればトゥルーバイパスにしたうえで試されると良いと思います。
小さな値の抵抗を用いるとワウの音質に影響を与えます。ハイインピーダンスのパッシブのピックアップをつないだときに、若干ですが低音域にサウンドの中心が移ります。(というかピックアップの高域が少し押さえられる)

R2  ほとんどの機種で1.5kオームぐらいの抵抗が使われています。これはミッドレンジに影響を与えるようです。もしペダルを戻したときにモーモーいいすぎるようなときには1.5kから3kオームぐらいの間で試してみると良いようです。

R3  例外はありますが400〜500オームぐらいのものが多いです。これを小さくするとゲインと低域が上がります。小さくしすぎるとサウンドが濁ってくることもありますので、普通は250オームぐらいまででしょうか。でも僕はここをうんと小さくしたときの音も好きです。歪み方にも大きく影響しますので、ここをいじるといじりがいがあります。

R4  コイル(インダクター)のQを調整している抵抗です。だいたい33k〜100kオームのあいだです。大きい方がピークが鋭くなります。しかしQに影響を与えているのはこの抵抗だけではありませんので、もしどこかを改変したときにはこの抵抗の値を再調整することが必要かもしれません。

C1  0.01μF付近のものがおおいです。ワウのペダル範囲の中心を決めています。これを小さくするとワウが全体に高域側になり、大きくすると低域側になります。ベース用といわれているものでは0.068μFぐらいのものもあるようです。

これ以外のパーツも影響を与えていますが、簡単にさわれるところはこれぐらいでしょうか。

初段のトランジスタはサウンドへの影響が大きいようですので入手できる方はいろいろ試すと面白いと思います。

少しの知識があればアウトバッファーも簡単に作ることが出来ます。これはFETのソースフォロワーを使った回路の一例です。電子回路に関する情報はネット上にたくさんありますので、興味のある方は調べてみて下さい。

out_buf

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(4)POTについて

POTについて「XXXのもののカーブが良い」などということが言われています。また「ヴィンテージのもののカーブが絶対的に優れている」・・というような発言も見られます。
では、特定のPOTを使えば必ず好結果が得られるのかというと、これは一概には言えません。なぜならいわゆるヴィンテージと最近のものではペダルの機械的な可動範囲が違う場合があるからです。
昔のペダルの機械的な可動範囲は、ペダル前面の動きで測って20mmぐらいです。それに対して近年のペダルでは25mm〜30mmぐらい、場合によってはそれ以上の機械的可動範囲があります。POTの回転角がこの機械的可動範囲に追随していると考えると、ヴィンテージペダルはPOTの回転の狭い範囲を利用していることになります。大きく動くペダルではより広い回転角の部分を利用しています。

このことが意味するものは、同一のPOTであっても取り付ける筐体によって、使い心地や音の可変範囲に違いが生ずるということです。

ヴィンテージのPOTを機械的可動範囲の広い機種に取り付けて良い結果が得られるとは限りませんし、最近の定評あるPOTをオールドペダルのリペアーで使ったとしても、良い結果を得られるとは限りません。
もし仮に、広い回転角を想定して作られていて機械的可動範囲が広い機種に取り付けられてよい結果がでているPOTを、狭い可動範囲の機種に取り付けたとしたら、そのカーブの全体を使うことが出来ずに、何かよくないという印象をあたえてしまうことが充分に考えられます。
決してPOTの性能が劣っているわけではありません。POTの選択が誤っているのが原因です。何処でなにをどう使うのか、よく考えなければなりません。
ネット上には有名どころの各社のPOTの測定結果のデーターがアップされています。
そのカーブをよく比較して自分の希望に合ったPOTを選択することが大切です。

POTによる変化カーブの違いの一例
pot_cu

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改変される方は自らの責任に於いてなされるようにお願い申し上げます。

              この項 おわり

HotCake勢揃い 補足と予告

HotCake勢揃い 補足と予告

次回から予定を変更してWahWah研究を掲載したいと思ってます。
それで予備的なテストをしているわけですが、バッファー問題で
最適と思われる事例がありましたので補足いたします。

Vox848というワウワウが有ります。
これは847の上位機種で、入力回路に工夫をこらした、大変優秀な
ワウワウです。プロの間でも人気が高い製品です。

ワウワウというのは一種のバンドパスフィルターで、それの
中心周波数をペダルで上下させることによって独特のサウンドを
得ています。
一般的な機種の可変範囲はおおむね500Hzから2kHzで、その間を
行ったり来たりするわけです。

オシレーターの出力をワウに入力して、ペダルを一番踏み込んだ
状態と一番戻したときの状態の周波数特性を見れば、そのワウの
可変範囲が分かります。

Vox848でこのテストをしてみました。

オシレーター ---Vox848 --- 通常のラインイン
 
という経路です。
このラインインはプロツールズ関連のインターフェースのもの
です。

これで特性を測ってみました。
ほとんどはうなずける特性なのですが、ペダルをいっぱいに
戻したときの特性が異常なのです。


ペダルをいっぱいに戻した状態の特性1
Vox848NB

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ペダルをいっぱいに戻したときには、本当は500Hz付近に
ピークが来なければならないのですが、1kHzより高い
ところになってしまっています。
つまりこの状態ではペダルの可変範囲が非常に狭く、あまり
ワウが効かないということです。

Vox848は大変ローノイズで音色も優れていて僕のお気に入り
のひとつですが、アウト側にバッファーを持っていないため、
受けのラインインのインピーダンスに対応できないのです。
ハイインピーダンス受けのギターアンプではまったく問題
ないのに、ライン直接続でこうなるのは、ちょっと残念です。
これが再三書いている「Wah--Fuzz問題」と同じ原因による
トラブルです。

そこでVox848のアウトにバッファーを入れてみることに
します。
これにはホットケーキのバイパスを利用してもよいし、
チューニングメーターでバッファーモードが有るものを
利用してもよいし、もちろんバッファーとして売られているもの
を利用してもよいです。
僕はたまたま足もとに転がっていたAB切り替えボックスに
内蔵されたバッファーを使ってみました。信号経路は

オシレーター --Vox848-- バッファー --ラインイン

です。
それでとった特性が次の図です。


ペダルをいっぱいに戻した状態の特性2
Vox848 wB

(画像クリックで拡大)

いかがでしょうか。本来のペダルの可変範囲になることが
お分かりいただけることと思います。
低インピーダンスのラインインに対しては、バッファーを
入れることによって、本来の500Hz付近から2kHz付近までの
可変範囲になります。

次回からリアル・マッコイ・カスタムの3機種と、代表的な
ワウワウVox848、CryBaby('70?)などについて書いていきます。
ぼくはWahWahが大好きなので時間が許せば他メーカーのものも
とりあげたいと思ってます。

HotCake勢揃い

あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いいたします。

さて手始めはHotCakeです。
HC


左からスタンダード、オールドサーキット、プロトタイプ、ブルー、3ノブです。
それぞれの回路を見てみると、
HCなか

このようになっていて詳細は分かりませんが、基本的には同一の回路の各部の常数をかえてバリエーションを作っているようです。
従ってそれぞれの歪み方や音色には、共通する「ホットケーキサウンド」とでも言うべきものが貫かれています。

次回は個々の機種についてリポートします。

           (つづく)

************************************
HotCake STD

ホットケーキ・スタンダードです。
なにゆえスタンダードなのかよく知りませんが、生産中期からの
製品でもっとも多く流通しているからかもしれません。
コントロールはDRIVEとLEVELそしてPRESENCEスイッチです。

音色はレンジが広く大変素直です。インプット系での色づけが
まったくと言ってよいほどなされていないのが特徴のひとつで
あるかもしれません。DRIVEをしぼりきってLEVELを合わせて
バイパス時と音色比較してみると、その透明さがよくわかります。

DRIVEを徐々に上げて歪ませていくとほぼ全帯域にわたって
穏やかにクリップしていきます。まさに良質のオーバードライブ
ということが出来ます。
ミニスイッチは音色の最高域を付け加えるPRESENCEですが、
以前にはミッドレンジをブーストするものや、常数が異なるもの
も作られていたようです。
残念ながら僕は詳細を知りませんが。

バイパスはいわゆるトゥルーバイパスではありません。
バイパス時にもバッファーがかんでいることになります。
一般にトゥルーバイパスが好まれているようですが、よく考え
ればバッファーは大変有効に使うことが出来ます。

気をつけなければならないのは、パッシブのハイインピーダンス
ピックアップが接続されることを前提に、入力回路の
インピーダンス等でサウンドを作っているエフェクターやアンプ
が次に接続されている場合で、当初の目論見とは異なっている
わけですから、期待する音が得られないことがあります。
ヴィンテージと呼ばれるものの中にはオーディオの回路をそのまま
流用しているものや、極端な入力インピーダンスのものなどが有る
ので、接続順をよく考えるほうがベターです。

たとえば「普通のワウ」のあとにファズフェイスをつなぐと、ワウ
が誤動作することがあります。これを回避するためのワウ組み込み
用のバッファー基板が売られています。
しかしこの場合はワウの誤動作はなくなりますが、ファズフェイス
の入力回路の特性は薄らいでしまうことになります。
トータルで期待通りになるのかどうか、なにを優先するか、
ちょっと難しいところです。
このような事態はアクティブの楽器でも同様におこり得ます。
アクティブの楽器に対するいわれなき非難は、
(僕はそう思っていますが)
使い方というか組み合わせかたへの配慮が足りないのが一因では
ないかと思っています。


つまり何と何をどう組み合わせるのか、どういう順番で接続する
のか、トータルでどういうシステムにしたいのか・・・
よーく考えなければなりません。

バッファー単体の製品が売られているぐらいですから、
バッファー自体の存在価値はおおいに有ります。
要は使い方だと思います。

僕はHOT CAKEのバイパスのバッファーを非常に便利に
使っています。何かの理由でシールドを非常に長くしたいとき
などには大変有効です。
またVOXのブライアン・メイ・アンプのように入力回路で
特有のサウンドを作っていると思われるもので、もう少し
「普通の」サウンドが欲しい時、バッファーを経由すると
良い結果が得られることが有ります。

いずれにしても、どれが正しくて良い使い方であるとか
ということはなくて、ギタリストがなにを求めているのかが
最重要です。それに合ったものが得られるのであれば、もし
仮にそれが一般的には間違いであるとされている場合でさえも、
そのギタリストにとっては絶対に正しい選択であると言える
と思います。

STDは典型的なオーバードライブサウンドでとても上品なの
ですが、やっている音楽によっては少しもの足りなく感じる
方もいらっしゃるかもしれません。
そのような場合には次に紹介するオールドサーキットを使用
されるほうが好結果を得られると思います。

                      (つづく)

**********************************
HotCake Old Circuit

オールド・サーキットです。
ボディにOld Circuitのラベルが貼ってありますが、
それ以外はSTDと外見上の違いはありません。
バイパスやコントロール類などSTDとまったく同一
です。
異なっているのは音の傾向で、STDに比較して
Oldのほうがよりシャープなエッジの効いた歪み方を
します。
僕は個人的にはこちらの傾向のほうが好みです。
パワーのあるギターではオーバードライブというよりも
むしろディストーション的なイメージで使えます。
これの前にもう一段ブースト系をつないで、いわゆる
FUZZ的なサウンドを目指す事も可能だと思います。


いろいろ試しているうちに面白い事を発見しました。
いままで「バイパス」と書いてきましたが、どうやら
そうではなく、たぶん「エフェクトOn」と「エフェクトOff」
の切り替えらしいのです。この違いを分かっていただける
でしょうか。
つまりHotCakeにおいては、特にバイパス用の回路を
用意しているわけではなく、エフェクト回路の動作点を
丸ごと移動させて、エフェクトのOn-Offを切り替える
(通過している経路はそのままでエフェクトが効く状態と
効かない状態を切り替える)
というようなしくみになっているようなのです。
ですからエフェクトOffのときでもLevelツマミを回して
みると、音が僅かながら変化するのが分かります。
おそらくGainやPresenceスイッチでもごく僅かに影響
すると思われます。
これらの影響はごくごく僅かなのでほとんど気がつかない
かもしれません。

Paulさんの発想にはいつも驚かされます。僕はたった今
この事実に想いいたるまで、このような切り替え方法は
考えてもみませんでした。回路に詳細にあたったわけではない
ので推理の段階ですけどね。

ただネットの情報によりますと、トゥルーバイパスの製品も
存在するようです。
スイッチ部は単純ではなく、フットスイッチと組み合わせて、
高価な小信号用リレーを使っていますから、多様な要求に
応えられる配慮がなされているのだと思われます。
この考えの集大成が、後日リポートする予定の「3ノブ」だと
言えます。

            (つづく)

******************************
HotCakeBlue & Prototype

HotCakeの低音を増強したブルーとそのプロトタイプです。
ブルーはオールドサーキットを基本にして、ベースに対応し、
ギターでもより低音を重視したい人のために作られた機種です。
プレゼンスコントロールがスイッチではなく連続可変のPOTに
なっています。
音色は基本的にオールドサーキットと似ていますが、微妙に
エッジのあり方が異なるように感じます。
低音域の増強具合は決してオーバーではなく、ギターで使っても
違和感がなく、むしろ僕にとっては好ましいものになっています。
普段のMIX仕事でも僕の音は「ローがたっぷり」と評されます
から、傾向として僕はロー好きなのかもしれません。
アマチュアバンド時代にはベースも弾いていましたから、その
辺りが影響しているのかもしれません。
HotCakeシリーズの中でもっとも好きな機種です。

ホットケーキシリーズでひとつ注意する事は裏蓋の取り付け
ねじです。
HCあな

(画像クリックで拡大)

このように取り付け用のねじ穴の一カ所が塗装をはがされて
います。この穴にねじを取り付ける事によって、裏蓋がアースに
落ちて、外来ノイズに対して有効なシールドになります。
ですからもしねじを紛失して本数が少なくなった時には、まず
一番にこの塗装をはがしたねじ穴にねじを取り付けるようにして
下さい。

銀色ケースのプロトタイプはブルーの企画段階で作られたもの
のようです。
配線にWEが使用されている事が特筆されます。生産品でも
一時期はWEモデルがあったようですが、作るのに手間がかかる
という事で最近は生産していないそうです。
音はWEのせいかどうか定かではありませんが、充実した
ミッドレンジが得られます。
もしWEの影響であるのなら、生産品のWEモデルを入手された方は
本当にラッキーだと思います。僕はこちらのプロトの方がより
好きです。

                    (つづく)

*********************************
HotCake勢揃い その5


HotCake3knob
最後にホットケーキ3ノブについて述べます。
先にも言った通りこの機種がホットケーキシリーズの集大成である事は間違いありません。コントロール類はブルーと同じくプレゼンスが連続可変のPOTになっていて、その他はDRIVEとLEVELという具合です。
特筆すべき点は、多様な要求に応えられるように、2個のジャンパーピンが備えられていて、ミュージシャンの好みで設定可能であることです。
ジャンパーピンは裏蓋をあけると基盤の上方の端に見る事が出来ます。
HCぴん

(画像クリックで拡大)
ピンをはずすのには特殊な道具は必要ありません。指につまんで注意深くまっすぐに引っ張れば取り外す事が出来ます。

HCぴん2

(画像クリックで拡大)
下の写真の向きで見て左側のピンはノーマルとブルースベリーの切り替えです。これはおそらくオールドサーキットとブルースベリー(STDからの発展型)の選択であると思われます。
右側のピンはGuitarとBassの切り替え。これはおそらくノーマルとXLF(ブルーで採用された低音増強)の切り替えです。

HCじゃんぱ

(画像クリックで拡大)
つまりこの3ノブでは今まで紹介してきた機種の音を、ミュージシャンの好みによって、かなりの程度に選択できるという事になります。
「かなりの程度に」というのは、単音色の機種と同等になる設定にしたとしても、まったく同じではないように思えるからです。言葉で言い表すのは困難なのですが、微妙に異なって聞こえます。
だからといって3ノブの音が駄目だと行っているわけではありません。各機種それぞれには個性があって、3ノブの各設定にもそれがあるという事です。単音色の機種(オールドサーキットやSTDなど)はそれぞれの音色での狙いが限定されている感じがしますが、3ノブでは広い用途に対応するために柔軟性を持たせているように思います。帯域がより広がっているような気がします。
ジャンパーピンを希望の位置にさせば対応する機種の音に非常に近くなります。この例ではオールドサーキットで低音増強、つまりブルーと同等のセッティングにしています。

HC N+B

(画像クリックで拡大)
このピンで注意する事は何度も差し替えていると接触不良になり易い事です。それほど機械的に強いパーツではありません。取り扱いは出来るだけ丁寧にして、接触部を汚さないようにして下さい。もし動作に不安が生じたら、無水アルコール等で洗浄したり、接点復活剤で接点を保護したりする事がおすすめです。もしピンをなくしたり、何らかの理由で不具合を起こしたりしたときには、このピンは特殊な事をやっているわけではなく単にショートピンですから、それなりの知識を持った方に相談して下さい。

最後にもう一度バイパスについて書きます。
バイパス時の音を完全トゥルーバイパスと比較すると、受け側の状況によって差が出たり出なかったりします。

例えば僕のマーシャルで比較すると両者の差は僅かです。トゥルーバイパスよりもホットケーキのバイパスの方が少しだけクリーン側によった(透明度が高い)ような感じがします。
{ ギブソンの直流抵抗が13.4キロオームのハムバッカーでためすと、ホットケーキのバイパスの方が高域が伸び、ミッドレンジのもたつき感が若干減少します。レンジが少し上側に向かって広がっているような印象です。}

まったく同じ接続方法でほかのあるアンプで試してみると、こちらの差はきわめて大きいです。このアンプは入力回路の状態でパッシブピックアップの音を作っているタイプだからです。バイパスのバッファーを通った状態ではこの音作りが生きないのです。このアンプはちょっと変わった音で定評があるのですが、バッファー経由だといたって素直な音の感じになります。パッシブピックアップが直接つながるトゥルーバイパスでその独特の音色が得られます。

またDTMでよくあるようなギター用ではないラインインプットに接続すると、これもまた大きな差が出ます。トゥルーバイパスでは受けのインピーダンスが低すぎるために高域のないくぐもった音色になります。バッファー経由のバイパスにするとその影響から逃れる事が出来ますから、自然なそのギター本来のサウンドを得る事が出来ます。

以上のように接続の仕方や組み合わせで音は様々に変化します。

何度も言っている事ですが、一般的な意味での正解はありません。ミュージシャンがなにを求めているのか、今どんな音が欲しいのか・・・
この事だけがその場面での正解を導き出すのです。各状態での音の変化を是非記憶して下さい。そして必要なときにそのノウハウを引き出すという事が、望む音を素早く正しく実現するための秘訣です。

ピックアップの極性を反転する

ピックアップの極性を反転する その1

 シングルコイルピックアップを複数搭載したギターに於いて、一部のピックアップの磁力の極性を反転させ、さらにそのコイルを逆巻きにする(ストラトのピックアップの場合はホットとコールドの線を元とは逆に接続する)ことによって、ハムキャンセリング(ハムノイズ防止)効果を得るという手法があります。有名なのはストラトのセンターピックアップに逆極性のものを用いて、ハーフトーン時にブーンというノイズを防止するものです。
 新しいピックアップを搭載するのでしたらそのような工夫を施されているものを選べばよいわけですが、既に搭載されているものをそのようにすることは出来ないのでしょうか。これが比較的簡単にできるので、その手順を紹介しようと思います。(この記事を書くにあたってはDan Erlewine氏のピックアップの作り方に多くを学ばせていただいております。)

 用意するもののなかの最重要ツールは強力なマグネットです。(あらかじめ作業の概略を書くと、強力なマグネットによって既存のピックアップの磁力をつけ直して、逆極性にしてしまうということです。そしてピックアップのホットとコールドの線を元とは逆に接続します)
 強力なマグネットと一口に言っても抽象的ですが、僕が使っているのはスチュワート・マクドナルドで売っているギターリペア用マグネットです。スチュワート・マクドナルドでは大きさの違う2種類を扱っていて、その大きい方(直径1インチ25.4mm、厚さ1/8インチ約3.2mm)を使っています。1個あたり約5ドルです。僕はこのマグネットを2個ずつ計4個使って着磁しています。
 これはリペア用だからといって特殊なものではなく、要するに使いやすい大きさを持ったネオジウム・マグネットです。ネットで調べてみると国内の通販でもほぼ同等のものが同じような値段で手に入るようです。
 入手の際にはマグネットの大きさに着目して下さい。大きい方が磁力が強くよいように思えますが、大きすぎると吸着したものをはがすのがひと苦労です。直径1インチ厚さ1/8インチでも、マグネット同士が吸着したものをはがすのは大変な作業です。

 このマグネットは超強力です。取り扱いには十分な注意が必要です。磁力を嫌うものに近づけてはならないのはもちろんですが、マグネット同士を不用意に近づけると、物凄い勢いで吸着しますから、思わぬ怪我をしたり、ものを壊すようなことも起こりえます。僕はプラスチックのケースに1個ずつ入れて、万が一のときにもいくらかショックが和らぐようにして保管しています。
 またネオジウムマグネットは熱に弱いですから、間違っても半田ごての近くなどには置かないで下さい。取り扱い方法についてより詳しい情報を収集されることをおすすめいたします。

 磁石の他に用意するものはベンチバイス(万力)です。必ずしもバイスでなくともよいのですが、大きめの鉄のかたまりに磁石を吸着させて使いますので、そのようなものがあればそれでもよいです。
 バイスが1個あれば他の作業でも便利なので、この機会に揃えるのも一計かと思われます。僕が買ったのは近所のDIY店で格安で売っていたものです。(忘れましたけど¥1000〜1500だったような気が)
 マグネットは、ベースプレートのところでも触れていますが、充分大きな鉄の板などに貼付けると、強力になって大変効果的に使うことが出来ます。

 あと必要なものはピックアップをはずすためのドライバーとか、配線をはずす・再接続するための半田ごて、ビニールテープかセロテープ少々・・・ぐらいなものでしょうか。

pickupchakuji

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ピックアップの極性を反転する その2

使用したネオジウム・マグネット
ネオジウム

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作業の準備
ピックアップの磁気の極性を確認しておきましょう。ドライブ用の方位磁石が使いやすくて便利です。¥100ショップで売ってるもので充分です。

極性

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作業開始
(1) ストラトの場合でしたら、センターピックアップをはずします。

(2) 不用意にマグネットにピックアップが吸い付くと、その勢いでピックアップの磁石がかけることがあります。あらかじめビニールテープ・セロファンテープなどで保護しておくと安心です。

(3)バイスの内側の面にマグネットを貼付けます。僕は片側2個ずつ直列にして、計4個を図のように貼付けています。貼付けるといっても磁石と鉄ですから吸着させるだけです。

貼付け

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(4)マグネットとマグネットの間がちょうどピックアップが通るぐらいになるように、バイスのハンドルを回して調整します。シビアなものではありません。大体でOKです。

(5)向かい合わせたマグネットの間にピックアップを通します。マグネットにかなり引っ張られますが、慎重に通してください。ピックアップの着磁は瞬時に行われますから、時間をかけてもしょうがないのですが、強い磁力の中であちこちぶつけないように、ゆっくりということです。
pickupchakuji

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ピックアップを通す

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 着磁はこれで終了です。磁力を反転させたいときもピックアップの向きを希望する向きにして通すだけです。磁極の反転と着磁が行われます。

 ネオジウムマグネットでピックアップの着磁や磁極反転が出来る・・・このことはプロ!!の技術者でも知らないことがあります。某ピックアップ関係者に話したことがありますが、「専用の着磁装置が無くても着磁出来るの???」とビックリされました。
 実は、このネオジウムによる着磁はピックアップの磁石を100%磁化させることは出来ない・・というのは事実です。というのはマグネットから遠ざけるときの磁界の乱れなどなどの影響で若干目減りしてしまうのです。
 しかし、実際はまったく問題ありません。僕は磁力の測定に自作の測定器を使っています。これは壊れたビデオデッキのモーターからとったホール素子と抵抗と電池を組み合わせたもので、直流のミリボルトで磁石の極性と強さがわかるようになってます。強さの絶対値はわかりませんが二つの磁石を比較したり、作業の前後でどうなったかということはわかります。

磁力測定

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 たとえば手持ちのストラトピックアップはこのメーターで見て作業前には300という数値が出ていました。今回のやり方で着磁し直してから測ってみると380という数字が示されました。もとよりも強く着磁されたことになります。

 磁石は時間とともにだんだんと磁力が弱くなっていきます。ですから、古い磁石を着磁し直すと新品状態に近くなる・・と言うことも出来ます。これにはちょっと注意したいですね。
 時間的余裕がある場合には弱い磁力から試してみる、バイスにつけるマグネットを片側1個ずつ、計2個でやってみるのもよいかもしれません。
 さらに間隔を広くして着磁してみるというのもよいかもしれません。

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ピックアップの極性を反転する その3
(改良の考察と注意点)

 今回の着磁は円盤状のマグネットを使っています。向かい合わせた円盤状のマグネットの間を通過させているわけですが、より完璧を期するなら、長方形のマグネットを使用する方がベターかもしれません。70mmX15mmくらいのものがあればピックアップ全体を一度でカバーできます。これを向かい合わせて、間にピックアップを置き、磁力線の向きにマグネットを遠ざけるようにすればかなり理想的なのではないでしょうか。
 図のようにまず(1)マグネットをまっすぐに遠ざけ、(2)次にピックアップをまっすぐ遠ざける・・ということです。
長方形

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 これは頭の中で考えているだけで、実験したわけではありません。機会を見て試してみたいと思っています。何となく良さそうな気がしています。

 ストラトのようなピックアップの場合、逆巻き状態にするには配線をホットとコールドとを入れ替えれば事足ります。しかし例えばシールドカバー付きで、そのカバーがアース(コールド)に接続されている場合には注意が必要です。そのまま配線を逆にしただけではシールドカバーがホット側に接続されてしまいます。これはちょっと具合が悪いので、かならず新しくコールド側になったところに接続し直して下さい。カバーがホット側に接続されていると、そのカバーにアースに落ちている弦が触れたりする時に、その瞬間だけ音がでないことになります。
 シールドカバーではなく、ピックアップの底面などにシールドが施されていてアースに接続されている場合も同様に考えて下さい。

 またポールピースが何らかの理由でコイルと導通している場合、その導通している側がコールドである場合は問題ないのですが、もしホット側である場合はポールピースがアースに落ちないような工夫が必要になります。ポールピースがホット側で導通している時にアースに落ちている弦が触れたりすると、その瞬間だけ音がでないことになります。上記のカバーの例とまったく同じ状況です。
 ポールピースがコイルと導通していないことが確認できれば、この項目は無視してかまいません。

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ピックアップの極性を反転する その4


ストラトの実例

strat rev

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 70年代のフェンダーストラトのセンターピックアップを反転してみました。もともとの磁性はトップがS極でした。時代によっていろいろあるそうです。
 強さは僕の測定器で、350〜400ぐらいを示していました。6個のポールピースがすべて同じということは無く、バラツキがあります。

 センターピックアップを取り外しました。配線はスイッチのところでもピックアップのところでも、どちらをはずしてもよいです。安全なのはスイッチのところです。
 ピックアップのところの配線はうまくやらないとコイルからの細い線を切断してしまうこともありますので、注意が必要です。
 僕のピックアップは一度断線の修理をしたことがあって、コイルからの細い線を固めてあったりするので、比較的容易に配線をはずすことができます。というわけで、今回はピックアップのところで配線をはずしました。
 念のためポールピースとコイルの導通をチェックしてみました。ポールピースの1本とコイルが導通していました。現状でコールド側、改変後はホット側になる巻き線で導通していました。あとでなんとかする必要がありそうです。

 バイスにマグネットを貼付け、間にピックアップを通しました。ピックアップの向きはトップがN極になる方向です。

 測定器で磁力を確認しました。その結果、トップがN極で強さは350〜400ぐらいと、もとと同じような感じに着磁されていました。なかなかうまく出来たと思います。

 ピックアップを取り付けて配線をつけ直しました。元の配線とはホットとコールドを逆にハンダ付けしました。この作業は出来るだけ手早くやるのがよいです。

 アンプにつないで音を確認します。ブラウン管テレビのすぐ近くで盛大にノイズを拾う状態にして、ピックアップを切り替えてみます。ハーフトーン位置で見事にノイズが消え去ります。楽器の音色も以前と変わらず、まったく問題ありません。

 残る問題はポールピースがホットに接続されていることです。試みにピックアップセレクターをセンターにして、弦を押してセンターピックアップのポールピースに接触させてみると、案の定、音が出ない状態になります。普段は弦とポールピースのクリアランスが充分なためそれほど問題を感じませんが、弦がべろべろになるようなアームダウンをした時、音が出なくなる可能性があります。
 テープ等で絶縁するとか考えましたがあまり美しくないので、ポールピースの上端に厚めに透明のネイルエナメルを塗ってみました。取り敢えずはこれでトラブル解消です。
 長期間弾いているうちにエナメルが剥がれるかもしれませんが、その時はまた塗ればよいのではないか・・・いたって気軽に考えております。

 以上の作業に要した時間は約15分でした。

 何かの参考にしていただければ幸いです。


            

実戦的ブリッジ調整 別バージョン 

実戦的ブリッジ調整 別バージョン その1


1)  まず弦を緩めナットの弦溝に変ながたつきが無いかどうか確認してください。特別なものは必要なくて、眼で見るだけで充分です。

2)  弦を戻して全弦を正しくチューニングします。

3)  ネックの状態を見てください。全くの直線状かごく僅かの順ぞり状態であればOKです。

4)  もう一度第1弦を正しくチューニングしてください。第1フレットを押さえてピッチを見てください。このときのチューニングメーターの数値を記憶しておきます。
   つづいて3フレット、5フレット、7フレット、9、12、15、17・・・・などというように弾いていってメーターの数値を見ます。もし高いフレットになるに従ってシャープするようであればブリッジサドルを後ろに下げます。
   もし高いフレットになるに従ってフラットしていくようであればブリッジサドルを前に出します。
   このようにして基本的にどのフレットを押さえてもメーターのふれが一致するようにします。
   いい忘れましたが開放との関係やハーモニクスとの関係はちょっとのあいだ忘れていて下さい。押弦する各フレット位置でのピッチを許容範囲内に入れるということが目的で、近年に作られたギターは、ぴったり合うものが多いと思います。


5)  第2、第3、第4弦を同じようにしてブリッジの位置を調整します。

6)  第5弦と第6弦も同様なのですが、他の弦と異なるのは押さえ方です。この調整のときには指を寝かせて「バレー」のような状態で押さえてピッチを見て下さい。

7)  第5、第6弦に関して、主にハイフレット、たとえば12フレットを押さえて弾いた時ピックアップのマグネットの影響で音が濁って、フラットすることがあります。このあたりのハイフレットのピッチ感を正しくするためには、ピックアップ高さを下げてマグネットを遠ざけてみるというのもひとつの方策です。
    音色とピッチとどちらを優先するかでこの調整は異なります。両立するのが理想です。両立しないときに「ピックアップ選択・交換」という考えが大きな意味を持ってきます。

8)  以上でブリッジ調整は終了です。すべて正しくセットされています。

9)  チューニングします。開放の実音がメーターで見にくければ第5フレットか第12フレットのハーモニクス(フラジオレット)であわせて下さい。
    
10)  全弦があったら、今度は第5フレットを指を寝かせて「バレー」っぽく押さえてピッチを見ます。このときの各弦のピッチの「ずれ」を記録して下さい。
    
11)  第6弦はちょっと問題がありがちです。もし第5フレットを押さえてシャープしているようなら開放をそのシャープ分だけ下げてチューニングします。これで開放は若干フラットしますがそれ以外はすべて合います。
    他の弦でも、もし「ずれ」があれば同様に「開放をずらして」ください。フラットする弦もたまにあります。そのときは「ずれ」のぶんだけ開放をシャープさせます。こうすることによって数本の開放は「ずれ」ますが、それ以外のすべてのポジションでジャストピッチになります。

12)  各弦の開放をどれぐらい「ずらす」かを記憶します。たとえば「6弦は5セント低め、2弦は針いっぽん高めにする・・・」などというように覚えておくと開放弦でさっとチューニングできます。

とまあこんな感じです。この調整方法で問題が一気に解決したというメールがいくつも届いています。

この調整方法で良い結果が得られない時、ブリッジ調整以前に他の基本的な部分に不具合があるということになります。

WEB版本編の該当箇所やリポートの実戦的ブリッジ調整も参考にして下さい。
このページのリンクから飛べます。


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実戦的ブリッジ調整 別バージョン その2

押さえる指の問題

  ブリッジ調整の際にいろいろなフレット位置で押さえるわけですが、どのように押さえるかが問題となります。押さえる指の力とその方向が安定していなくてはなりません。いろいろなところで書いていますように押さえ方でシャープもフラットもします。

  僕の場合、チェック時には薬指で押さえるようにしています。この指が僕の指の中ではピッチ的に一番きれいに押さえることが出来ます。
  僕の人差し指はハイフレットでフラットしがちです。普段からの弾き方でフラットさせる癖がついてしまっているようです。

  これは人によって差があると思いますので、実際にどの指が一番安定しているか、いろいろなフレットポジションで試しておかれるのが良いと思います。

  指を寝かせてバレーっぽく押さえるのか、それとも立て気味で押さえるのか・・などということとともに、安定したピッチを得る方法を模索してみて下さい。


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実戦的ブリッジ調整 別バージョン その3

第5、第7フレットのフラジオレット

 チューニングを合わせるときに第5フレットと第7フレットのフラジオレット(ハーモニクス)を使う方法はよく知られています。

 例えば正しくチューニングされた第6弦Eの第5フレットで得られるフラジオレットは2オクターブ上のEです。第5弦Aの第7フレットで得られるフラジオレットは同じくEです。ですからこの二つを一致させればチューニングできるということになります。

 ところがここで問題が生じます。第7フレットで得られるフラジオレットは平均律通りの5度の音ではありません。約2セント高いのです。

 従ってどうなるかと言うと、第6弦の第5フレットのフラジオレットと第5弦の第7フレットのフラジオレットをぴったり合わせると、第5弦は約2セント低く調弦されることになります。
 その低く調弦された第5弦の第5フレットのフラジオレットに第4弦の第7フレットのフラジオレットをぴったり合わせると、期待するピッチに比べて、第4弦は約4セント低く調弦されていることになります。
 このようにして合わせていくと、高い弦になるに従ってフラットが大きくなっていきます。

 第5フレットと第7フレットのフラジオレットを参考にするのは良い考えですが、第7フレットのフラジオレットが平均律より若干高いのだということを忘れてはなりません。

 同じことは第19フレットで得られるフラジオレットについてもいえます。ブリッジ調整の際に第19フレットのフラジオレットと実音を参考にするときにはちょっとだけ気をつけて下さい。


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実戦的ブリッジ調整 別バージョン その4

ブリッジ調整の実際例 ストラト編。
たまたま手元にあったものですが、参考になれば。


ストラト ブリッジ例 1


ストラト ブリッジ例 2


ストラト ブリッジ例 3


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実戦的ブリッジ調整 別バージョン その5

ブリッジ調整の実際例 ギブソン編。

SG
sg-2 ブリッジ


レスポール
LPブリッジ


335
335ブリッジ


FV
FVブリッジ


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実戦的ブリッジ調整 別バージョン その6

 ブリッジ調整をするときの注意点です。

 まず、古い弦で、汚れていたり、フレットによる傷がついていたり、さびが浮いているような状態の弦では正しいブリッジ調整は出来ません。それでも緊急に調整しなければならないこともあります。それは、あくまで暫定的なものだと割り切ってその場をしのいで、後日、もう一度調整し直して下さい。

 というわけで、新しいきれいな弦で調整するのが望ましいのですが、張りたてでまだ安定しないうちに調整すると、間違った調整をしてしまう可能性があります。ブリッジサドル近傍で弦がなじんでいないため、正しく調整したと思っても、本来のブリッジサドル位置とは異なってしまうことがあるのです。弦が充分に安定してからチェックしてみると、ブリッジサドルの位置が正しくないことがわかります。

 新しい弦を張ったらブリッジサドル前方の弦を指で押して、サドルと弦のなじみがでるようにするとよいです。チューニングがどんどん下がっていくような状態のときにはまだ弦が安定していないと思って下さい。

 各所のなじみがでるとチューニングも安定します。調整するのはそれからです。

 同じような理由で、サドルの高さを変えたり、サドルの位置を前後に動かしたりしたときにもサドル前方の弦を指で押してなじみを出すようにして下さい。大幅にサドルを動かした時、注意深くチェックするとサドルの近傍で弦が盛り上がったり、不要なところに折り目がついたりしている様子を見ることが出来ます。
 調整時には、あたりまえですが、サドルを動かします。ですからサドルを動かすたびに弦のなじみを出すように心がけて下さい。

 調整してから数日後、弦が完璧に安定してから、行った調整が正しかったかどうか再確認することが望まれます。もし贅沢を言えるなら、もういちど新しい弦に交換して、少し弾くなどしてなじみを充分に出してから再確認すると完璧です。

 充分になじみの出た弦で一度ブリッジ調整しておくと、当分その状態で使い続けることが出来ます。

 使用する弦のメーカーを変えたとき、弦のゲージを変えたとき、ネックの状態が変わったとき(あるいは変えたとき)、弦高を変えたとき・・・このようなときには一応全フレットでのピッチ傾向を確認して下さい。ブリッジ調整が必要になる場合もあります。

電源ケーブル(うなぎケーブル)についての考察 

電源ケーブル(うなぎケーブル)についての考察 1

機材の電源ケーブルをある「高級な」ケーブルに交換すると音質が改善されることがあることはよく知られています。発電所から機材までの数十キロ・数百キロの終端部分のたかだか2〜3mのケーブルを交換することで、なぜ音が変わるのか。このことには賛否両論・様々な意見があると思います。しかしこの変化は日々のスタジオワークの中で何度も体験している事柄です。ですからここでは何らかの影響があるのではないかという前提に立って話を進めます。

前述したようにこのケーブルは送電のごく一部をになっているにすぎません。であるならば既存の機材付属の電源ケーブルはそのままにして、コンセントと機材ケーブルの間に「高級な」ケーブルをつないでみたらどうなるのだろう・・・そもそもの発端はこういうことです。機材の内部にはトランスまでの配線がありますがケーブル交換の際にはこの部分は問題とされていません。それにも関わらず変化があるということは・・機材付属のケーブルはこの内部配線の延長と考えて、その先に「高級な」ケーブルをつないでみるということです。

ヒューマンギヤの八木氏とともにこの考え方の検証を始めました。

この間に挟むケーブルの長さはどれぐらい必要なのでしょうか。ためしに50cmぐらいの長さのものを作って試してみると、なんと、ケーブル固有の音が実現されたのです。

各種「うなぎケーブル」


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太めのケーブルで何となく「うなぎ」に似ているということで通称「うなぎケーブル」ということにしました。
クエストやDH,ベルデンなどなどのケーブル素材を使って検証を繰り返していますが大変興味深いです。
ギターアンプやベースアンプなどのアナログ機器は勿論のこと、サンプリング音源やシンセサイザーに使用してもあっと驚く変化をすることがあります。(電源ケーブルを交換しても全く変化が認められない機材もあります。もともとのケーブルも「高級」なのでしょうが、どうやら機材の電源部が非常に優秀で強力である場合、外部の電源ケーブルの音質の影響を受け辛いようです。たとえばソニーの48トラックデジタルレコーダ−3348やスチューダーのデジタルレコーダーはケーブルを交換しても音色差が認められないという声があります。)

この「うなぎケーブル」の利点は電源ケーブルがビルトインされていて交換が困難な機種や、電源アダプターを使用しているような機種に簡単に使用することが出来る点です。

既存ケーブルへの使用例



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アダプターでの使用例


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また必要とするケーブルの長さが50cm程度と短いため、若干ですが製作費を低減することが出来ます。さらに数種類を用意してもたいしてかさばらないので持ち運ぶにも便利です。

実際の使用例などを順次紹介していきたいと思ってます。


電源ケーブル(うなぎケーブル)についての考察 2

使用する機材は1個ではありません。それでは「高級な」ケーブルでテーブルタップを作って複数の機材を接続するというのはどうでしょうか。
実際にやってみるとどうもうまくありません。機材間の干渉があるのでしょうか。ひょっとしたら「高級な」ケーブルは機材間の干渉を防ぐフィルターのような役割を果たしているのかもしれません。
できれば「うなぎケーブル」を複数用意してひとつの機材に1本というようにして使うと良いようです。

「高級な」ケーブルを使用したテーブルタップが市販されていました。(PSE法施行後それらがどうなっているのかわかりませんが。)
それらは大変高価ですし、様々な工夫が凝らされていますので、上記のような複数の機材を使用する際にも効果があるのかもしれません。あまりに高価なのでAleatorikではとても入手できず、実験できずにいます。もし使用されていてこんな感想を持っているという方がいらっしゃいましたら、是非リポートをお寄せいただきたいと思っております。


電源ケーブル(うなぎケーブル)についての考察 3

キーボーディスト川井 健さんからのリポートです。
「うなぎケーブル」とJPSのケーブルをお渡ししてテストをしていただいております。川井さんは一本の「うなぎケーブル」で2個の機材を駆動されたのですが、効果があったようです。考察2で複数への使用に疑問を呈しましたが、場合によっては良い方向に向かうようです。

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ウナギのほうですが、オルガン本体とレズリーに電源を送るタップの前に挿しました。
無い時と聞き比べたのですが、ローエンドが豊かになって音にガッツが出ました。
ほんとに不思議ですが良いです。音にガッツが入ると、それが演奏に出るというか、良い音に「弾かされちゃう」感じがありました。

JPSのブルーのケーブルはハモンド、レズリーと一緒に鳴らすHIWATT CUSTOM100で試しました。こちらの方は鳴らした直接の音の違いが、あまりよくわかりませんでした。

しかし、レコーダーに録られた音に違いが出ました!!! 何がどうしてかわかりませんが、 一歩前に出た感じに取れました。通常、レズリーとHIWATTを聴感上、50%50%にするのですが、そのとき、ProToolsのメーターの動きも参考にします。
今回、いつものようにすると、妙にHIWATTのほうが前に来ちゃうのでした。
メーターの動きよりも、はるかに効率よく録音されたようです。
こちらも、とても良い感じでした。

今回は例の曲でのオルガン周りでしか、試せなかったのですが、レコーダー(io、コンピュータ)とか、録り卓でも試してみたいです。

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POT CODEによる生産時期解析

ギターに使われているPOTの刻印でその楽器の生産時期を知ることが出来ます。またリペアーで交換されたものを確認できる可能性があります。

http://www.guitardaterproject.org/

このページの右側のPOT CODE READERからPOTのメーカーや生産時期を知ることが出来ます。

たとえば 1378017 というナンバーのPOTは
This potentiometer was made by
CTS Corporation (Chicago Telephone Supply)
in the 17th week of 1980

CTS製で 1980年の第17週ということですね。

最近のエピフォンのシリアル

最近生産されたエピフォンのギターのシリアル解析を見つけました。
それによると次のようになってます。
生産した国名と工場名もわかります。

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Korea

* I = Saein
* U = Unsung
* S = Samick
* P or R = Peerless

China

* DW = DeaWon
* EA = Gibson/QingDao
* EE = Gibson/QingDao
* MC = Muse
* SJ = SaeJung
* Z = Zaozhuang Saehan
* BW = China

Japan

* No letter or F = FujiGen
* J or T = Terada

Czech

* B = Bohêmia Musico-Delicia

Indonesia

* SI = Samick

Example: U8034853 U = Unsung, 8 = 1998, 03 = March, 4853 = manufacturing number.

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詳しくはwikipediaのページに

http://en.wikipedia.org/wiki/Epiphone

ベースプレート ( パワープレート)についての考察

各種素材のプレート
いちばん上は市販のベースプレート
power plate


(拡大=画像をクリック)


ベースプレート ( パワープレート)についての考察 その1



ベースプレート ( パワープレート)の働き

磁石が貫通した形のシングルコイルピックアップ(つまりごくごく一般的なシングルコイルピックアップ)、それの底面に磁性体のプレートを貼付けると磁力の強さや磁力線の通る様子が変わり、ピックアップのサウンドに影響を与えます。それはベースプレートと名付けられ、今までは主に低音に影響を与えると考えられていましたが、プレートの素材を各種試してみると、どうやら全音域に影響を与えていることがわかりました。(その傾向はピックアップをよりホットにするものですので、Aleatorikでは、このプレートをパワープレートと名付けました。)
このプレートをピックアップの底面に貼付けるだけで簡単にピックアップの音色をグレードアップすることが出来ます。しかも、もし元に戻したければ、簡単に取り外すことが出来ます。

フェンダーテレキャスターのブリッジピックアップにはこのような磁性体のプレートが元々ついていました。ところが何故か80年代の早い時期から、このプレートは省略されてしまっています。オールドの本来のサウンドとは変わってしまったと僕は思います。最近のプレートがついていないピックアップにパワープレートをつけることによって、テレキャスター本来のサウンドを引き出すことが出来るのではないかと考えています。
ストラトでもこのようなプレートを特注で装着しているギタリストがいます。このパワープレートはそれらミュージシャンのサウンド創りを簡単に実現することが出来ます。プレートはブリッジピックアップに装着することが多いですが、もちろんミッドやネックピックアップに装着してしても好結果を得ることが出来ます。
プレートの効果による音色変化をひとことで言うと、「倍音の出方が変わる」ということになると思います。

プレートの素材によってそれぞれ音色の傾向が異なりますから、自分の楽器にあったプレートを選んで、好みの独自の音を追求することが可能です。
現在のところ、素材としては3種類試してみています。

**パーマロイ材高級な磁気材料として有名なパーマロイを使ったプレートです。レンジの広い全帯域をプッシュする印象です。プレイへの追従性が良いので比較的素直に感じる部分があります。しかし見方を変えると、反応が速く伸びが良い分だけ、アタック感が強まる傾向があるとも言えます。プレイスタイルによって大きく感じ方が変わる素材だと思います。

**ハイライト材これもトランスのコア材として有名です。パーマロイよりも高域に特徴が出る印象です。きらびやかな高域を望む方には最適かもしれません。ハイライト材使用のアウトプットトランスはきらびやかな音色になる場合があるのですが、ちょうど同じような傾向のように感じます。

**オールドのコア材オールド機器のトランスからとった正体不明のコア材です。正体不明ですので今後も継続して作れるかどうか、むずかしいところがあります。音は独特で、捨てがたいものがあります。強いアタックで微妙に飽和した感じ、平たく言えば薄くコンプレッサーがかかっているような印象で、バランスがよく弾きやすいという声をいただいております。比較的無難な音と言えるかもしれません。




  ベースプレート ( パワープレート)についての考察 その2

    $$$ パワープレートの取り付け $$$

:::事前のテスト :::

まずギターをアンプに繋いでピックアップを爪などで軽く叩いてマイクロフォニックノイズの出方を確認します。ロウ付けや樹脂で固めたピックアップの場合はほとんどノイズが出ません。防振処理をしていないピックアップの場合はこつこつという音がでるかもしれません。このノイズの出方を記憶して下さい。
つぎにピックアップ底面にプレートを乗せてみて隙間が空くところがないかを確認します。もし底面にぴったり合わないときにはプレートを指で少し曲げて、出来るだけ隙間が空かないように修正します。

サウンドのテストだけをしたい場合にはピックアップの磁力で吸い付いた状態で行うことが出来ます。不要振動を拾いやすくてハウリングしやすくなりますが、プレートによる音色変化を知ることが出来ます。

継続して使用する場合にはしっかりと取り付けることをお勧めします。

プレートの取り付けは[ A ] の方法が推奨ですが、ピックアップボビンがプラスチックなどで耐熱性が疑わしいときは[ B ] の方法が無難です。プレートにはあらかじめロウをコーティングしてあります。これには防錆と不要振動のダンプとの両方の意味があります。

[ A ] ロウでつける方法

1.  ポールピースを絶縁するため出来るだけピックアップ底面にポールピースが隠れるように薄いマスキングテープを貼ります。これはポールピースと巻き線が導通していて、なおかつそれがホット接続されている場合があるためです。 テスターなどで絶縁が確認できる場合は省略してもかまいません。

2. プレートにコートしてあるロウの量だけでは不足するかもしれないので、新たに少量のロウを用意します。ピックアップの底面にロウを半田ごてで溶かして塗ります。というかポタポタとたらす感じでもオーケーです。

3. プレートをのせて、割り箸などを使って押し付けます。2カ所くらいを同時に押し付けることが出来ればより良いです。押し付けたまま半田ごてでプレートを暖めます。1カ所ではなくてプレート全体が暖まるようにします。温度を上げすぎないように気をつけて下さい。ロウが溶ける温度になれば充分です。いったん半田ごての電源を外してをさましておいて、プレートの上に半田ごてをのせてから電源を入れて暖め始め、ロウが溶けてきたら半田ごてを遠ざけるようにすると安全です。

4. プレートとボビンの間のロウが溶けてすっと流れる感じになったら半田ごてを遠ざけて息を吹きかけて冷やします。このとき、押さえている割り箸等がずれないように気をつけて下さい。

5. より完璧を期すなら、プレートのエッジ部分にロウをさらに足します。ロウを溶かしながら半田ごての先を筆のように使ってロウを流していきます。

6. よく冷えたらアンプを繋いでピックアップを軽く叩いてみます。もしノイズが増大していたらプレートのどこかが密着していなくて浮いた状態になっています。アンプを繋いだままプレートのあちこちを叩いてみると浮いているところでノイズを拾います。その箇所を重点に、もう一度 手順3 からの作業を丁寧に行って下さい。それでも駄目なら 手順2 からの作業を行って下さい。コツコツというノイズが全くでないか、あるいは最初のテストのときと同様の程度であればプレートのロウ付けは完成です。

(注) もしコツコツという音を少し拾ったとしても、実用に支障のない程度かも知れません。
実際の使用状態で確認して判断してください。

7. アース線をピックアップのマイナス側端子にハンダ付けします。このアースにはシールドの意味を与えているわけですが、実効性については微妙です。プレートをアースに落とさなくても特に支障はないと思われます。省略しても問題ないと思います。


[ B ] 両面テープを使う方法

プレートの接着面側のロウをよくはがしてきれいにします。念のためロウをはがしたあとに、アルコール等で拭くと良いかもしれません。プレートの接着面の全面に両面テープをはります。ピックアップのボビンの底面をきれいに拭きます。プレートに貼った両面テープの保護紙をはがしてピックアップ底面にプレートを貼りつけ、浮く部分が無いようによく押し付けます。ピックアップの出力をアンプに繋いでピックアップ底面のプレートをまんべんなく爪などで叩いてみて下さい。もし浮いているところがあると、そこを叩くとアンプからコツコツというノイズが出ます。ノイズが出たところをもう一度よく押し付けて密着させ、ノイズが出ないようにして下さい。コツコツというノイズが全くでないか、あるいは最初のテストのときと同様の程度であればプレートの取り付けは完成です。 つぎにアース線をハンダ付けして下さい。これは上に書きましたように、省略してもかまいません。

(注) もしコツコツという音を少し拾ったとしても、実用に支障のない程度かも知れません。
実際の使用状態で確認して判断してください。

両面テープは薄ければ薄い方が磁気回路的には良いのですが、ボビン底面の凹凸や、ボビン自体のゆがみによって良好な接着状態が得られないことがあります。厚手の両面テープはそれらの問題を解消してくれます。ピックアップ底面の状態によって両面テープを選択して下さい。

参考に僕が試したものをいくつかあげておきます。

スコッチ 超強力 金属用  厚さ1.14mm
  アクリル系粘着材使用で、一応、平滑面用となってますが良好です。底面の凹凸が激しかったり、歪んでいたりする場合に有効です。比較的きれいな場合には、より薄いテープをお勧めします。

ニトムズ 凹凸面用(屋外) 厚さ0.55mm
  良好ですが粘着材がゴム系ですので経年変化で固くなるかもしれません。

ニトムズ 超強力 金属用  厚さ 0.4mm
  粘着材はアクリル系です。プレートを丁寧に押して、よく粘着させる必要がありますが、これくらいの厚さ以下のものが望ましいです。

フィルム状両面テープ 厚さ0.1〜0.16mm
  底面の状態が非常に良い場合に有効です。部分的に浮きが生じて、マイクロフォニックノイズを拾う場合がありますので、よく押し付けて粘着させて下さい。


$$ ピックアップ底面に磁石が飛び出している場合の対処 $$

ジャズベースのピックアップなどの場合のように、底面に磁石が飛び出していることがあります。このときは飛び出した量に合わせた厚めのテープなどを磁石の周りの底面に貼って底面全体が平面であるようにします。前述したような厚さ1mm程度の両面テープを使うことが出来ます。
○ その両面テープに直接プレートを貼付ける。
○さらに薄めの両面テープをプレート面に貼って貼付ける。
○ロウでつける方法を工夫する。
などが考えられます。磁石とプレートは出来るだけ隙間無く貼付けられる方が良いので、状況に応じて考えてみてください。中途半端な両面テープを使うとかえってマイクロフォニックノイズを拾うこともあります。
全くケースバイケースです。最適な状態を見つけていただけることを期待しています。


ハムバッカーへの応用



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フロント

front

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リア

rear

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zu1

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  ベースプレート ( パワープレート)についての考察 その3

     $$$ より深く考えてみる--応用編  $$$

 このパワープレートの動作は要するに磁気回路を変更することによっています。
仮想的に磁石の長さが二倍になったような感じになり、弦側の磁力は増大します。
つまり磁気の通り道が変更されて弦側に集中し、より広い範囲の弦振動を拾うことになります。図がうまくかけなくて申し訳ないのですが、何となく感じはつかめると思います。
 その影響は当然ながら低音域だけにはとどまりません。
 またもともと優れた音のピックアップに取り付けると、そのバランスや音色を崩してしまう可能性があります。あくまで改良の余地があるピックアップに用いてみて、音色改善の道を探るものです。取り付けも取り外しも簡単ですから手軽にカスタマイズするための手段としてきわめて有効であるように思います。

 例えば、シングルコイルでポールピースが磁石ではなくて、底部に長方体の磁石を装着しているタイプのものがあります。試しにこの底面にプレートを貼ってみると弦側に放出されている磁力の大きさが変わります。ということは出力や音色が変わることを意味します。これはなかなか良いです。手持ちのギターでこのタイプを搭載しているものがあり、音色が????だったのですが、このプレートを貼ることによりかなり希望の音に近づきました。

 磁気の通り道を変えることが出来るのですから、ハムバッカーにも応用が可能です。このときはピックアップの上面にプレートを貼ります。ポールピースが半分かくれるぐらいか僅かにかかるぐらいの位置に貼ると具合が良いようです。
 ほんの一例ですが、メーカー不明のカバー付きハンバッカーに貼ってみました。出力が足りなくて貧弱な音だったのですが、このプレート(これにはパーマロイを採用)によって生まれ変わりました。57クラシックを搭載したギターと弾き比べてみてもかなりいい線いくようになりました。 接着には薄めの両面テープを使用しました。プレートとカバーで段差が出来てピックがちょっと引っかかりそうなので、プレートの端に薄い透明テープを貼ってあります。

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棒状の磁石の一端に充分な大きさの磁性体の板を置くと、仮想的に磁石が長くなったような効果が起こります。
磁力の形は長くなった磁石の上半分に相当し、磁力の範囲が広く、かつ強くなります。

single3

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$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$

これらのプレートは何人かの方にお渡しして試していただいております。
興味深いことにあの「KORG」にはギター愛好家が多くて、様々な実験に参加してくれて、貴重なリポートを送ってくれます。
ここにご紹介するのはKORG技術部に所属される鈴木さんからのリポートです。

********************************

・・・・(前略)・・・・・・・・・

実験内容は、シングルピックアップ単体に、送って頂いたベース用のプレートと、ピックアップの上に載せる小型のプレートを使用し、

*インダクタンス測定
*インピーダンス測定
*砂鉄による磁場の観測

をしてみました。

インダクタンスは、
 何もつけてないとき、1.070H

ベース用プレート 
Unknown 1.193H  Parmalloy 1.163H  Hilight 1.220H
小型プレート 
Unknown 1.092H Parmalloy 1.087H  Hilight 1.098H

になりました。

インピーダンス測定結果は添付図をごらんください。

imp

(拡大=画像をクリック)

プレートをつけるとポールへの磁束が集中して増幅する振る舞いをするようです。
これはインダクタンスの増加、砂鉄の密度の様子からもうかがいしれます。
それから磁石への吸い付き具合を試してみると、パーマロイ、正体不明、ハイライトの順に強くなっているようです。
これは磁化しやすい材質の順ではないでしょうか。
インダクタンスの増加の順とも一致してるようです。
インピーダンス測定からはデーターは変化してますが聴感上わかるぐらいの差はないように思えます。
しかしギターに取り付けたときの実験ではわかりましたよね。
砂鉄模様の様子でおもしろいことに小型プレートをつけたとき、そのプレートのところだけ空間ができてプレート端の周囲に磁場模様が集中してました。
これらのことから想像すると、プレートをつけることにより磁場のフィールドの大きさと強さが変わり、弦が磁場を揺るがす範囲が変わっていると思われます。
ピックアップの底面につけるとこれがヨークの働きをして各ポールの磁束密度を増幅し、
さらにプレート端面から磁場が全体に広がっていると想像します。

ハイライト材は最も磁束が増幅してフィールド範囲も広いので弦振幅の
取り込み範囲が広くなり出力があがって広域になっているのではないでしょうか。
パーマロイはこの中では磁束密度は小さいので取り込み範囲も小さいと思われます。
正体不明は中間にあるようです。ただわからないのは昨年聴感実験したときのコンプレッション感がどこからきているかです。
正体不明の表面の黒い皮膜を削ると銀色の下地がでてきます。変色か皮膜かわかりません。
磁石の吸い付き具合はパーマロイに近いと思います。もしかしてオリエント材でしょうか?
そうだとするとオリエントは磁化する方向性があるらしいのでこれがフィールドに影響するでしょう。
とりあえず自宅でできる小規模実験ではこんな感じです。

まとめると、プレートはピックアップの電気的特性を大きく変えることはなく、
磁場のフィールドを変えて弦振動をピックアップする範囲と強さに影響する
アタッチメントと言えそうです。

プレートの取り付けアイデアのひとつとして、ピックアップカバーの側面に取り付けるのもありかと思います。
側面だけでもよいし、底面と一体化させてもいいかもしれません。
フィールドをむやみに広げることなく出力が何倍かあがるかもしれません。
あるいはもっと細くしたプレートをポールにくっつけて擬似バータイプのポールにして各弦のバランスをすっきりさせられそうかとか。

・・・・・(後略)・・・・

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